なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

器質化肺炎

2023年09月07日 | 呼吸器疾患

 7月19日の当直の時に、発熱・咳・痰が続くという75歳女性が受診した。他院に高血圧症・気管支喘息で通院していた。

 前の週の7月13日に咳・痰で当院の内科外来を受診していた。その時は対症療法として処方されて、後は通院している病院を受診するようにと説明されていた。(予約日はまだだったので行っていない)

 胸部X線・CTで両側肺に陰影を認めたが、通常の肺炎としては奇異な印象があった。経過も長く、炎症反応の上昇はわずかだった。

 次の日に呼吸器外来(大学病院から)があったので相談した。器質化肺炎でしょう、といわれた。プレドニン0.5mg/kg/日の25mg/日から開始することになった。

 1週間抗菌薬と併用していいですか、と訊いたが、どちらが効いたかわからないくなるので、プレドニンだけにと言われた。プレドニンだけの投与で症状・所見は軽快した。

 放射線科の読影レポートにも、鑑別として非結核性抗酸菌症(NTM)が上がっていたが、喀痰の抗酸菌塗抹は陰性だった。

 プレドニンを20mg/日に漸減したところで退院希望があり、呼吸器科の外来を予約して退院とした。

 

 呼吸器科外来の予約日より前の8月14日に、発熱で内科外来を受診した。担当していた先生から入院治療を依頼された。胸部CTでは前回の陰影は軽快して、右肺の下肺野背側と左肺舌区に新たな浸潤影があった。

 プレドニンは同じ量で抗菌薬(ABPC/SBT)を使用した。呼吸器科の先生と相談すると、器質化肺炎としての変化のようだが、と言われた。とりあえず、治療を変更しないで経過をみると、解熱して炎症反応も軽快していった。

 プレドニンは15mg/日に漸減して経過をみることになった。その後1日だけ発熱が見られたが、すぐに解熱した。陰性化していた炎症反応はまた少し上昇した。

 胸部X線では判断が難しいので、8月31日に胸部CTを再検した。今度も入院時の浸潤影が軽快して、今度は右上葉と中葉に浸潤影があった。プレドニン15mg/日継続で、炎症反応はまた陰性化した。

 今回の入院も抗菌薬が効いたのではなく、器質化肺炎の自然経過のようだ。プレドニンで治療しているので、修飾された経過になるが。

 プレドニンを増量(0.75~1mg/kg/日)すればいいのかもしれないが、それなりには治まっている。できるだけ少ないプレドニン量で発熱などの症状がなく、炎症反応も治まった状態を維持できればいい?。

 

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