先週、事務職員から薬事委員会に出てくださいといわれた。新規購入薬を申請すると、委員会で説明する必要があるが、申請した覚えはなかった。
呼吸器科外来に来ている先生の依頼で、使いたい薬の申請書に、常勤医の名前として入れたのだった。名前を貸しただけなので、薬剤の説明は薬局長に代わりにしてもらうことにした。
先月にその先生から新規薬を使いたい、と言われていた。薬剤名は生物学的製剤のテゼスパイア(テゼペルマブ)皮下注シリンジ210mgで、気管支喘息それも「既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る」というものだった。
以前はヌーカラ(メポリズマブ)皮下注シリンジ100mgを使用していたが、効果はあまりなかったようだ。
患者さんは50歳女性で症状が悪化した時でも喘鳴は聴取されなかった。診断は咳喘息となっていた。ここ数年毎年同じ時期(5~6月ごろから)に入院していて、当方が担当していた。
今年は別の内科の先生が担当して入院していた。6月から8月まで2か月半入院して、なかなか症状が良くならず、苦戦していると思ってみていた。
吸入だけでは治まらず、ステロイド内服を継続している。当方が担当した時は喘息発作に準じて、デキサメサゾン大量から漸減して、ある程度治まったところで外来に回していた。
今回担当の先生はステロイドを漸減して、できれば中止したいとしていたが、その都度症状がぶり返していた。
病棟(看護)師長さん(55歳女性)も咳喘息といわれて、呼吸器外来に通院しているといっていた。治療は吸入薬(ICS/LABA/LAMAの3剤配合)。
今週の呼吸器外来には上記の患者さんの他にも、咳喘息で難治の患者さんたちが通院していた。48歳女性はICS/LABA吸入にプレドニンが屯用で頻回に出ていた。56歳女性はICS/LABA吸入にLAMA吸入が追加されて、デキサメサゾンが屯用で使用されている。
咳喘息はまとまった成書がないが、案外患者さんはいて、難治の患者さんもいるのだった。(専門外来だから集まっているのだろう)
テゼスパイア皮下注シリンジは176253円もする。