5月15日(水)に慢性閉塞性肺疾患(COPD)で在宅酸素療法(HOT)を導入している93歳男性が受診した。定期の予約日(希望で3か月に1回)だった。
家族の話では連休のころから痰が増えて、酸素飽和度が低下して吸入量を増量していた。病院受診を勧めていたが、拒否していた。
定期予約日は仕方なく来たらしい。病院内は広いので車椅子に座っていたが、診察室には歩いて入って来た。発熱はなく、酸素飽和度の低下はなかった。肺炎の併発が疑われるので、胸部X線・血液検査を行った。
胸部X線で右下肺野に浸潤影があった。血液検査では白血球9800・CRP2.3と思ったほどの上昇ではなかった。HOT施行中のCOPDなので通常は入院治療になる。
入院は嫌がった。何度か家族といっしょに勧めたが、だめだった。連休中からだとすると、くすぶった状態で10日間くらい来ている。
結局、その日は抗菌薬(セフトリアキソン)の点滴静注を行って、あとは内服(キノロン)で治療することにした。短期間での再受診も嫌がって、1週間後ならいいという。
途中で病状が思わしくない時は、すぐに来てもらうことにして1週間後の予約とした。
4年前にクリニックからの紹介で受診したのが最初になる。酸素飽和度70%台だったが、自宅の車で受診した。インフルエンザA型陽性で、胸部X線・CTで肺気腫と肺炎像を認めた。
抗インフルエンザ薬(ラピアクタ)と抗菌薬(セフトリアキソン)の投与で軽快した。安静時は飽和度90%を保つが、労作時には低下して息切れが生じるので、在宅酸素療法を導入した。(安静時1/分、労作時3L/分)
ふだんから労作時(室内歩行でも)にかなり息切れがあり、在宅酸素導入で楽になったと喜んでいた。病院に来るのが面倒というので、3か月に1回になった。それでも本人が行きたくないといって、家族だけが処方を取りに来ることもある。