4月27日(土)は当直だった。28日午前1時半に高熱・呼吸困難の92歳女性が救急搬入された。救急隊の話では、酸素8L/分でも酸素飽和度が90%未満ということだった。
市内の病院に通院しているが、そちらは時間外の救急はほとんどとっていない。当院で受けたが、基幹病院に当たってもらった方がよかったかもしれない。
心房細動があるが、心臓ペースメーカー植え込みもなされていた。心拍数は正常範囲だった。徐脈性心房細動だったのか、洞不全症候群(徐脈頻脈症候群)だったのかわからない。
腎機能は正常だったが、抗凝固薬はワーファリンが使用されていた。PT-INRを知りたいが、当院は時間外は凝固検査はできない。
その日患者さんは日中デイサービスに行っていて、就寝前までは何ともなかった。夕食時も明らかなムセはなかった。
その割に胸部CTで右肺上葉を中心に浸潤影らしい陰影がはっきり出ていた。炎症反応は陰性だった。聴診では右肺にcoarse cracklesが聴取された。
入院で肺炎として治療を開始したが、酸素10L/分を要し、家族には厳しいかもしれないと伝えた。
入院後は解熱して、酸素投与量も減少できた。4月30日には酸素1~2L/分になり、何度も患者さんが外してしまうため、中止となった。室内気で92%くらいになる。
胸部X線(ポータブル)を見ると、右肺の陰影は薄くなっていた。何だか普通の肺炎らしくない。家族が来たので、肺炎というよりは肺胞出血かもしれないと伝えた。すると、搬入後はなかったが、自宅にいる時には血痰を排出していたという。
抗凝固薬(ワーファリン)と理由はわからないが、処方には抗血小板薬(バイアスピリン)も入っていた。30日には凝固検査ができて、PT-INRは1.27で効きすぎではなかった。(搬入時にも効きすぎていたようには思えない)