なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝細胞癌

2024年10月18日 | 消化器疾患

 消化器科の先生が遅めの夏休みをとるので、担当している入院患者さんのことを頼まれた。消化器科の入院は2名だけで少ない。

 基本的に内視鏡検査をしてもらうのが一番なので、あまり入院患者を診ることは病院としては期待していない。本人も、内視鏡検査をしている時が一番元気なのだった。忙しいといいながらも、臨時の内視鏡検査をしてくれる。

 どんな患者さんを診ているか確認した。ひとりはアルコール性肝硬変・肝細胞癌の80歳代後半の男性だった。病状は安定して施設入所待ちだった。

 もともとは糖尿病で糖尿病外来(外部の医師担当)に通院していた。治療は経口血糖降下薬+持効型インスリンのBOTだった。2年前に肝機能障害と血糖コントロールの悪化で内科常勤医に入院治療を依頼された。

 当時在籍していた自治医大卒の義務年限中の若い先生が担当した。腹部単純CTで肝臓内の腫瘤が疑われて、造影CTで確認すると肝細胞癌と診断された(放射線科の読影レポート)。

 地域の基幹病院消化器内科に紹介していた。肝動脈化学塞栓療法(TACE:transcatheter chemoembolization)が行われて、それが難しくなると放射線治療も行われた。

 その後は緩和ケアのみ(BSC)となり、今年の5月に当院消化器科の外来に逆紹介された。今回は発熱・肝機能障害があり、胆管炎として治療して軽快している。

 今回の入院時の腹部造影CTを見ると、治療後の状態と現在の多発巣がある。明らかな転移巣はなく、まだ経過をみられそうだ。

 

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