なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

大動脈ステント感染

2024年10月23日 | 感染症

 10月13日に記載した大動脈ステント感染の60歳代前半の男性のその後。

 血液培養2セットから翌日にはグラム陽性桿菌が検出された。大学病院感染症内科から来ている先生が、鏡検してコリネバクテリウムなのでバンコマイシンで開始するようにと担当医に伝えていた。

 実際に出た血液培養の結果はCorynebacterium striatumが検出された。一般的には多剤耐性で経験的治療はバンコマイシンを使用することになっている。血液培養再検では陰性になっていた。

 今回の菌は感受性は良く、大抵の抗菌薬に感受性があり、アンピシリン(ビクシリン)に変更していた。抗菌薬で経過をみたが、発熱が断続的に続いて、結果的には炎症反応は上昇した。画像でも大動脈弓部周囲の軟部組織陰影が増大した。

 保存的には到底無理となって、手術をした大学病院心臓血管外科に転院搬送となった。

 

 担当の先生は、相談した感染症内科の先生に入院時から大学病院への紹介を頼みたかったようだ。抗菌薬で経過をみるようにといわれたのでやってみたが、最初から紹介でよかったと思う。(大学病院でもまずは抗菌薬で経過をみての判断にはなるが)

 

コメント
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