10月18日(金)午後に40歳代後半の女性が発熱・咳・咽頭痛で外来を受診した。娘さんが10月初めにマイコプラズマ肺炎で当院に入院していた。
発熱外来の扱いになるので、コロナとインフルエンザの迅速検査を行ってからの診察になる。両者陰性で診察に回った。
血液検査では白血球5800・CRP2.8 と軽度の炎症反応上昇があった。画像検査では、右肺下葉背側に淡い陰影があり、肺炎だった。
マイコプラズマの抗原迅速検査はキットが入荷困難になり、PCR検査になっている。PCR陽性でマイコプラズマ感染と診断された。
入院するほどでないので、外来治療となる。担当した若い先生はマクロライド(アジスロマイシン=ジスロマック®)内服を処方していた。
ただ、この女性の娘さんは10月初めにマイコプラズマ肺炎で当院に入院している。その経過は、内科医院でマクロライド系のクラリスロマイシン内服を処方されても症状が続いた。再受診時にはニューキノロン(ラスクフロキサシン=ラスビック®)を処方された。
それを3日くらい続ければ軽快したかもしれないが、高熱が続くとして当院を受診した。肺炎の程度からは外来でもよかったが、希望で入院した。
マイコプラズマ抗原迅速検査で陽性だった。テトラサイクリン系のミノサイクリン=ミノマイシン®点滴静注3日間で解熱軽快した。もっともミノマイシン点滴静注薬の入荷困難で3日分でなくなってしまった。ミノマイシンの内服は院内にあったが、担当医は内科医院で処方されたラスビック内服としていた。約1週間で退院している。
ということはマクロライド耐性のマイコプラズマの可能性があり、母親の方もミノマイシン内服でよかった?。(住所からみると、当院は診療圏としてはちょっと違うが、娘が入院したということで当院に来たのだろう。)
基本的にマイコプラズマはself-limitedなので、抗菌薬がなくても日数をかければ軽快する(はず)。