那須太社 錦輔 の日記

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日本辺境論

2012-12-15 01:27:33 | 読書感想文

内田樹 日本辺境論

ブックオフではない、新宿1丁目だったかの古本屋さんで購入。

まだ読み終えてないが、2点気になる記述があった。

1、調停かるた

調停というのは離婚調停に代表される裁判まで行かず、その手前で話し合う制度のこと

らしいが戦後、それを普及させるために「調停かるた」というものが作られた、ということで

その文例が列挙されているのだが、これがまさに曖昧な日本を象徴するような名文ばかり

で、読んでいて吹き出してしまった。

・論よりは義理と人情の話し合い

・権利義務などと四角にものいわず

・なまなかの法律論はぬきにして

・白黒を決めぬところに味がある

最後のやつなんか傑作だと思う。

2、戦艦大和の青年士官たち

沖縄への水上特攻に出陣した戦艦大和に乗務する青年士官たちは、自分たちが戦略的に

は無意味であるのに、死に向かって水上特攻を行うことに何の意味があるのか士官室で激

しい議論をしたのだそうである。その論争を一人の海軍大尉がこう語って収拾したと、吉田満

の「戦艦大和ノ最期」に記録されていると書いてある。

こういう内容だったという。

「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ。負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ。

日本ハ進歩トイウコトヲ軽ンジ過ギタ。私的ナ潔癖ヤ徳義ニコダワッテ、本当ノ進歩ヲ忘レテ

イタ。

敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ。

今目覚メズシテイツ救ワレルカ。

俺タチハソノ先導ニナルノダ。

日本ノ新生ニサキガケテ散ル。

マサニ本望ジャナイカ。」

電車の中だったのに、また涙が出てきて、いったん本を閉じた。

 

このあと、どういう論が展開されるのかやや不安である。

高橋源一郎と友達んこみたいなことが書いてあるが、たしかあの

人はいわゆる進歩的文化人だったような気がするので、この内田

さんもそういう方向に走るのだったら嫌だな、読みたくないな、と

思っている。

コメント
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