昔読んだときほどワクワクしない。
何か同じことの繰り返しで、人名も錯綜して覚えられない。
大体、名君が年をとるとお妾さんにたらしこまれ、彼女の一族が政治を壟断して無茶苦茶する。
西洋とか我が国ではあまりそういった例を見ないのだが、儒教文化、道教文化だと奥さんやお母さんが父の死後は権威となるのだろうか?
作者の陳舜臣さんは台湾系の人だと思ってたが、ネット情報によると籍は台湾でも大陸にルーツを持つ名家の末裔だとか。
確かに中華の文化を誇るような書き方が多い。
漢詩の名句も沢山でてくるが、原文が出てこないのが残念。読み下し文と原文が併記されていたほうが、よりその詩を知った気になるので。
その中で、おっ、と思ったのが5巻、唐の玄宗帝の時代、
白居易
・・・・・・・
生まれて聖代に逢い征戦無し
梨園歌管の音を聴くに慣れ
旗槍と弓箭とを識らず
・・・・・・
唐の貞観の治世といわれる繁栄のあと、政治が乱れ戦に狩り出される者たちの嘆き節である。
私たちの世代も似ているような気がする。
ただし、私たちの場合は戦に借り出そうとする国士がいないのがより危機的状況である。