渡辺昇一さんと百田尚樹さんの共著。
面白かった。「日本はあの戦争に勝つチャンスが何度もあった」という惹句に惹かれて購入したが、期待した以上に面白かった。
ただ、字が大きくて薄い本で、もっともっと掘り下げて、同じテーマで10倍くらい厚い本で読みたい。
あと、関連図書とか参考文献についてもっと言及してほしかった。とりあえず、渡辺先生があとがきで書いておられる、「軍閥興亡史」探してみたい。
自分は大東亜戦争の敗戦は、海軍の責任である、という西村晃先生の論を信奉しているのだが、百田先生も別視点から海軍が悪玉だったのではないか、とおっしゃっているが、こういう視点で書かれた昭和通史を読んでみたい(大体、陸軍悪玉論でアメリカに戦争を仕掛けたのが間違い、みたいな論ばかりでつまらないことおびただしい。西村先生は、真珠湾にいかずインド洋にいってイギリス軍をたたき、エジプトのロンメル・エチオピアのイタリア軍と連携する。これでドイツがイギリスを抑えることに専念できる。ロンメル軍団がインド・中東を押さえたら黒海・カスピ海からソ連に進行。オホーツクおよびイラン経由の援ソ物資を遮断して兵糧攻め。イギリスとソ連がギブアップしたらいくら原爆を持っていてもアメリカも講和に乗り出しただろうという論を展開しておられた)。
この薄い本を読んだだけでもたくさんの気づきがあり、自分は昭和史を知らないな、と改めて思わされた。
我が国が戦争へと進んでいった、シナ事変とかインドシナ半島攻略、ノモンハンの流れがまったく分かっていないのである。
どういうことだったのか、知りたいのだが何を読めばいいのか分からない。
渡辺先生はお年だし、百田先生は小説家だし、改めて歴史の本を書いて下さい、というよりは、こんな本があるよ、この本にはこんなことがかいてあるよ、みたいなガイドブック的な続巻をぜひお願いしたいと思った。