ワインは葡萄から造られます。「葡萄のみから」といったほうがいいでしょう。穀物系のお酒と違うのは葡萄には最初から水分も発酵に必要な糖分があるわけですから・・・・
ワインの違いは酸味である、とか渋みのタンニンであるとか、過去に書いた記憶がありますが、なんと言ってもワインのワインたるゆえんはアルコールを持つからです。
葡萄の糖分を酵母がアルコールとCO2に分解し液体の中に残るのはアルコールなのです。通常1㍑あたり17gの糖分で1度のアルコールになると言われますが、殆んどのワインは12度から15度の範囲のアルコールですから最低でも1㍑あたり200g以上の糖分ということになります。産地によったり葡萄品種によったり気候によったりして高低に差が出るわけです。
伝統的な産地のものは比較的低め、ニューワールドのものは高めです。
アルコールは単に酔いに関係するだけでなく、味わいにも大きな影響を与えます。所謂ボディの一角を形成しますから、ふくよかさや厚み(熱み)を感じさせますし、控えめだと涼しさや優しさを演出します。温度感というのは大きいですね。また、糖分が少なくても甘く思わせます。しかも、渋みの強いワインでもアルコールが高いと渋さが丸く感じられたりします。アルコールのせいというより、アルコールが高いと言うことは糖度が上昇し酸が少ないから、と言うのもありますが・・・
よく渋いワインは強い、と思っていらっしゃる方がいますが、むしろ渋さが目立つワインは意外とアルコールが低く、酸が効いていることが多いのです。逆にアルコールの強いワインは渋みが意外と嫌に感じないことが多いのですよ。
ワインを買われるとき、一度アルコール表示を見てください。お探しのタイプを発見する一つのバロメーターになると思います。