ワインには自らの畑からワインを醸造、熟成する「ドメーヌ」(ブルゴーニュの場合の呼び方)と他人の畑の葡萄、或いは醸造したワインを瓶詰して販売する「ネゴシャン」に大別されます。
実際の所、飲んでみた結果がよければどちらが上でどちらが劣ると言うものではありません。が、どうも少し通と呼ばれる方々の中には「ドメーヌ信仰」と言うのがあるらしく、「あそこはネゴシャンだから・・・・」と折角の美味しいワインに手をつけない方がいます。
他人の畑の葡萄を・・・というと横着な造り方に聞こえるかもしれませんが、全くそんなことはありません。昔からの「分業」なのです。専門分野を分け合っている、と考えれば不思議ではありません。
むしろ、天候の不順のリスクを負うのはドメーヌであり、ネゴシャンの場合、何らかの形でそれを回避しやすいともいえます。
また、畑ごとの違いを勉強したい方などにはネゴシャンの畑違いで同一ヴィンテージを比べたほうが判りやすいのです。(そむりえ亭で勉強して、とは言いません)
中には大量生産型のネゴシャンもあります。薄めの味わいです。が、それも真なり、です。早く熟成しますし、重いワインが苦手な方には素敵です。
それとは逆に非常に力強いワインを造るネゴシャンもあります。代々取引のある畑を分業で丹精こめてワインにするわけですから、気合が違います。
ちなみに今月は「ブシャール.ペール.エ.フィス」というネゴシャンのニュイサンジョルジュの一級畑ダモード02をグラスで開けています。「え、ブシャール?」といって敬遠したお客様もいらっしゃいました。でも、何も問題ありません。決して後悔しないと思います。どうぞドメーヌ、ネゴシャンにとらわれずワインをお楽しみください。