ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

アルザスの赤

2011年03月24日 03時23分16秒 | ワインの事

アルザスの赤、ドイツの赤などは私の駆け出しの頃は生産者すら「オマケのようなものだから試さなくても良い」と平気で言っていたものです。私の知っている限り数社のオーナーがそう言っていました。

ですから「軽い赤がいいな」と言われればアルザスのものを薦めた事もありました。

しかし、ここ10年程の北の産地のワインは著しい凝縮の進化を遂げています。

特に2003年などはブラインドで飲めば南の産地と間違える事は不思議ではありません。

温暖化もその要因でしょう。しかし、ポリフェノール神話が生まれた90年代半ばから彼らは悩み始めて世界に「何故アルザスのワインは売れないか?」というシンポジウムをして廻っていました。大阪にも来ました。

色々要因がある中で、本筋の白は本筋として、赤にも力を入れ始めます。そこに温暖化が背中を押します。

今月使っているのは3年続けて「ヒューゲル.ピノノワール.ジュビリー.ネブー03」です。

2年前はガチガチでした。昨年もガチガチでしたが、やや大人しくなりました。そして今年。

まだまだ強いワインですが8年を経て香りが立ってきました。

今後のワインの世界の道筋を探る上では貴重なサンプルですね。

今、世間を探せば色々な産地の2003年が見つかります。世に出た頃から良くなったか、ひねてしまったか、を産地別、価格別でたどると面白いと思います。

ちなみにここ何ヶ月かでボルドー、ローヌなどを試しましたが概ね良好。ブルゴーニュは「らしく無い印象」ですがカリフォルニアなどがお好きな方には面白いですね。

さて、アルザスのピノ2003年。只今開けていますので、一度お試しください。