何かを人に伝えることは難しいですよね。
しかし、例えば私達は飲食業ですから、料理や飲み物に関して何らかの表現をしないといけません。ソムリエですからワインに関わる表現が最も頭を悩ませること、とも言えます。
例えば誰もが判る、と思われる事象が実は地域限定でしか判らないものであったり、そんな事常識、と思っていたことが世代を隔てると「何のこと?」となる訳です。
ソムリエの分析的コメントは実に正確でワインの性格や造り方の推定まで深く分析しますが、そこで使われる言葉は専門的であったり、複雑であったりします。
一般の人々には伝わりません。
では・・・・・
私が思うに「不要な言葉は省く」という事が重要ではないかな」と・・・・
仮に濃い色の渋いワインがあり、甘いリキュールのような香りのワインがあったとして、ソムリエは「このワインは濃い色で・・・・」と言う必要はありません。何故なら目の前のワインが既に物語っているからです。
しかし、酒屋さんは違いますね。だって家に帰ってコルクを抜くまで中身の色も香りも判らないから、説明が要るのです。
底の所を右往左往しながら、私たちはコメントを考えなければいけません。
時には端的に、時には詳細に、時には物語の様に、時には連想ゲームの様に、です。
どうぞ、ソムリエのコメントを楽しんで聞いてやってください。或いは読んでやってください。
彼らの中にある人間性が見えてくると思います。人間観察も、また楽し、です。
さて、そむりえ亭の今日のワイン、どうやって表現しましょうか?