長くソムリエをやっていると、つい名前の由来等に関しても「慣れ」が出てしまいます。
が、実は面白い名前のワインが沢山あるんですねえ。
勿論、最近の若い方が、これまでの原産地呼称外で造ったものは奇抜で面白いものが良いのですが、昔ながらの原産地呼称そのものが「えっ」と驚くようなものの宝庫なんですね。
例えばイタリアの白でエスト・エスト・エスト.ディ.モンテフィアスコ-ネ。
旅の従者が「ここに美味しいワインがあるぞ!!あるぞ!!あるぞ!!」と記したから、と言うものであったり・・・・・
畑にハツカネズミがいて、見事なジャンプをしたからという理由だったかどうかムルソーの村は「二十日鼠の跳躍」という意味だそうな!!
或いはバタール.モンラッシェのバタールはモンラッシェの私生児と言う意味で、それだけでも「これがワインの原産地名になるのか?」と驚きますが、そのサイドにあるビアンヴニュ.バタール.モンラッシェ(在ピュリニーモンラッシェ)は「歓迎されるモンラッシェの私生児」という事になりますね。またクリオ.バタール.モンラッシェ(在シャサーニュモンラッシェ)は「泣き叫ぶモンラッシェの私生児」です。
凄い名前ですね。モンラッシェと言う偉大なワインが跨ぐピュリニーモンラッシェ村とシャサーニュモンラッシェ村の戦いなのでしょうか?
いずれ劣らぬ銘酒ですが、こういう事を知るともっとワインが面白くなりますね。
いやいや、でもモンラッシェと名のつくワイン。日常酒=ケのワインではありません。ハレのワインですね。
大事な時にお楽しみ頂くのに覚えていて損のない物語ですね。