ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ジビエ

2015年02月22日 02時46分53秒 | 食・レシピ
以前にも書きましたが、ジビエ=猟で仕留めてきた野鳥獣=の需要は20年前に比べて雲泥の差があります。

若い頃、つまりホテルに勤めていた頃も使っていましたが「気持ち悪~~」と言われたり「匂いが気になるなあ」と言われたり・・・・
いずれにせよ何組に一組位の割合でしか御注文頂けなかったものです。

それが少なくても、ここ10年位は「あれば出る」「3組に2組」位の勢いでオーダーされるのです。

この2、3日は久しぶりに雉と真鴨をお出ししていましたが、アッという間に底をつきそうです。

ま、有難い話なんですが・・・・・


ちなみにジビエにワインを合わせるにも色々あります。

例えばフレンチの世界ですとローヌ系のスパイシーなワインで合わせることが多いですね。

ジビエを料理する時に胡椒などスパイスを多用するのですが、それと似た風味のワインを重ねる方法です。
他にボルドーならポムロール、ブルゴーニュならジュヴレーシャンベルタンなど粘土質に由来する鉄分の風味=ジビエの肉質の鉄分に合わせる方法。

イタリアならばバローロを筆頭とするネッビオーロ系の持つ強い鉄の風味はジビエの持つ鉄分と渡り合います。
というか「綺麗な引き算」になって最後に残るのは甘い旨味なんですね!!

或いはゲヴルツトラミネールのような華やかな香りの白でも金の風味と良い相性ですし、マデイラワインの「老ねた(ヒネタ)風味」は殊の外よく合います。

貴腐ワインのカビから来る風味もブルーチーズに合うようにジビエtの相性が良い。

つまり色々アリ、なんですね!!

勿論、マデイラや貴腐ワインをそこで持ってくると次に続けるワインに困る、などいくつかの理由で赤で勧めることが多いのも事実です。



しかし苦手で無くなったジビエをいくつもの方法で美味しく頂ける時代です。

残り少ないジビエの季節。

「いつでもある」とはいえません。だって坂本くん一人では鳥類の羽むしりだけでも大変な作業ですからね・・・

しかし、もう少しの間、多少の在庫はするつもりでいますのでお楽しみ頂ければと思います。



               樋口誠