ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

良かれと思って・・・・・

2015年02月16日 01時47分01秒 | サービス
だいたいに於いてサービスは「良かれと思って」しています。

いつもコーヒーに砂糖を入れない人に「良かれと思って」シュガーポットを出さないでいた。とか

左利きだから「良かれと思って」ナイフフォークを逆に置いた。とか

飾りのないチーズケーキじゃVIPには寂しいだろうと「良かれと思って」生クリームを絞りフルーツを飾った。とか・・・


色々ありますし聞きます。


いずれも「気の利くサービス」に一見感じますね。


しかし、昼はコーヒーに砂糖を入れなくても起き抜けは砂糖が欲しい人もいます。
左利きの方はフォークは左手の方が便利だから、通常のセットの方が良い人も多い。
忙しいVIPの人は飾りのないシンプルないチーズケーキを手で掴んで「パクッ」とやりたい。

そういう時に限ってサービスマンは「良かれと思って」黙ってそういうサービスをしているのです。


しかし、マニュアル以外の事をする時は
「いつもお砂糖は使われなかったですね?」とか
「ナイフフォークは左右入れ替えておきましょうか?」とか
「ケーキにはクリームでも絞っておきましょうか?」とか


ほんの数秒ですむ確認をすればよいものを・・・・・


で、お客様は不機嫌になったりします。

それだけで済むなら「今後はやめておこう」となるのかもしれませんが

お客様が何の反応も示さなくて「せっかくしてやったのに」となる人が意外に多いのですね。
こちらが勝手な事をして「感謝がないのはオカシイ」と怒るのです。

サービスではありませんね。


砂糖を出すか出さないか、ナイフフォークの入れ替え、などはゲストだけに被害が生じますが、クリームやフルーツの話は会社にも損害です。

意外に多いこういう事例です。


「何が喜ばれるか?」
「何がいけないか?」
常に探りながらサービスマンは神経を張り巡らさなければいけませんが、時と場合によって「確認する」という事を忘れての「良かれと思って」はない、という話です。


                 樋口誠