ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

フライト

2015年10月22日 02時21分33秒 | ワインの事
といっても飛行機のことではありません。

ワインの世界で時折登場する言葉なんです。


シャルドネのメーカー違いを3種同時に出す。

ボルドータイプの赤を産地違いで出す。

同じワイナリーのヴィンテージ違いを出す。

などのように「同時に複数のグラスを出す」ことを指します。


実はこのやり方は私はあまりしません。

店のコンセプトが「その皿にはコレ」的なサーブですので「ワイン比べ」は不要なのです。

勿論、それはそれでテースティングの勉強になるでしょうし、バーなら面白いかもしれません。

しかし、私がしない理由はもう一つあって「AよりBのほうが良い」「流石にあそこのドメーヌは凄い」などでゲストが優劣をつけるきっかけになることが多いのですね。

私には「それは勘弁して」と言いたいことなのです。

ワインだけ飲んだら「Bのほうが存在感がある」かもしれませんが「この皿と合わせたらAが突然立体的で存在を増した」というワインはいくらでもあります。

ワインを生かす役割のソムリエが「優劣の手助け」をするのは気が引けます。

「特徴を分析する為」「同じ品種でも色々あると知ってもらう為」など肯定的な理由も沢山ありますが、フライトをされているお店の方には「優劣はつけない」を前提にして頂きたいな、と思うこの頃です。


          樋口誠