ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

それは店側が言うことでは・・・・・

2016年05月02日 02時01分59秒 | サービス
お店と言うのはどのような店であれ「客層」が其々で、同じではありません。

しかも、同じような店を探している複数の人達の満足度は同じ店に行っても違うでしょう。


私が気になるのは「お客様が語ることを店側が言う」ことです。


例えば「当店は気楽にお食事が出来ます」

   「リラックス空間でゆったりと」

   「お気軽に・・・・・」


私にとってはお客様がそう思って頂ければいいな、と言うことばかりです。

つまり「あそこの店では重い荷を下ろして気楽になれる」

   「あそこの店主の前ではリラックスしてゆったりした気持ちになれる」

   「高級店では高い○○が、ここの店では品質を落とさず気軽に注文できる」

と言ってくれれば嬉しい訳です。


しかし、店が自らそれを標榜しているのは「?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?




いや、そういう私も「ボトルだと注文しにくいワインを気軽に頼みやすいようにグラスで開けています」などと宣います。

しかし、「俺はボトルで頼みたいんだ!」と言う方には「鬱陶しい」サービス方法かもしれません。




昔居た職場の先輩が「この料理はどうやって食べればいいんですか?と聞かれたら、好きなように食べてください、と答えるんだよ」と言っていました。

私はそれに大きな違和感を感じたのです。

その「好きなように」が判らないんです。

例えば外人さんがお刺身の前で困っていたら、ワサビの使い方の2,3通りくらいは教えてあげないと事故になりますし、梅干しを梅干しだけで頬張ると酸っぱすぎたり・・・・・

「私だったらこうします」「こんな食べ方をする人が多いんです」

大事なことです。

「気軽に」「リラックスして」「お気楽に」なんて、そういう気分になったお客様が最後に思う感想。


怖い顔をした大将がいる店が意外に気楽だったりするのは「お気楽に」と押し付けられないからではないか?と思う今日この頃です。


        樋口誠