ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

栓を開けたワイン

2019年02月11日 03時14分00秒 | ワインの事
多くの方は「家では一本を飲みきれないので、ワインは敬遠する」という類のことをおっしゃいます。

確かにある種のワインは早めに飲み切ったほうが良い、ということもあります。

しかし、それはホンの一部と思っています。

大概のワインは抜栓して2,3日はゆうに保つものです。

それは特別な措置をしての話ではなく、抜いたコルクを差し込んでおくだけでもいいですし、ラップで壜口をくるんでおくだけでもいいのです。

気を付けるとしたら・・・

冷やして飲むタイプのものは冷蔵庫に入れても良いと思いますが、赤など「あまり冷やさない」タイプは冷蔵庫に入れると酸化しやすいものです。

せめて野菜室位が妥当ですし、秋から春の間=暑すぎない時期=はダイニングにそのまま置いていても問題ないと思っています。

ただボトルの中身の残量の少ない場合は若干急いだほうが良いのは想像に難くありません。


ま、しかし2,3日なら大丈夫ということです。


ちなみに私は(多分他のソムリエの方達も)抜栓後の酸化進行の実験を定期的にしています。


それで判っていることは「赤より白のほうが酸化に強い」とうこと。

覚えていて損はありません。


理由は簡単。

赤のほうが酸化で失われるもの=タンニンや色素=が多く、白は少ない。

そして赤より白のほうが元来持っている酸が多いので酸化しにくい。

というような理由です。

私は科学者ではありませんが、30数年実験をしてのことですから自信があります。

ちなみに昨日の仕事終わりに今月開けているワインのうち、徳島県のデラウェアを原料とした「renata」(再生)というワインの「抜栓後6日目」のものを試しました。

しかも残量はグラス1杯分。

果皮を漬け込んで造られた昨今【オレンジワイン】と呼ばれているタイプのものです。

果皮から来るタンニンを感じながら柔らかく甘い香りとフレッシュな酸がバランスを醸す美味しいワインです。


その複数の持ち味が温度帯によって顔を出したり引っ込めたりして面白い。

グラスの選択肢も幅広い。

直感的に「抜栓後も強そうだな」と感じての昨晩の実験。


全く問題なく、むしろ柔らかさを増して頂けました。


この手のワインは高価なことが多いんですが、これは優しいお値段。

少なくても今月中はご用意できます。

お試しいただきたいワインです。


            樋口誠