つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

オリンピックエンブレムのことで

2015年09月02日 | 徒然に、

まあ、あれはちょっと恥ずかしい話です。

 

美術の勉強を若いころした。

とても楽しい時間だった。私の物の考え方の基礎は、美術教育ではぐくまれたと感じている。

文学部での旦那と、ときに同調し、ときに微妙に肌合いが違うと感じるのは、そういうところだろうと思う。

私が学んだのは実にオーソドックスな美術で、

湧き上がる創作欲にまかせ、自分の手を動かして作品を作り上げるものだった。

制作過程はとても汚いし、出来上がっても・・・うーむむな感じだ。

スタイリッシュで今風の、デザイン畑の人間とは立ち姿自体が違うので、

このたびの出来事も実に「一般庶民」の感覚でしか理解が出来ない。

お金が絡むとこの醜態なんだろうなあと、…今でも傍観者だ。

だが、デザイン畑のひとに聞いてみたいことが一つ。

組織委員会が公表した「選考課程」というもののことだ。

「原案」があって「修正案」があって「完成版」に至ったというあれ!

所謂、絵描きでいうところのコンクールですよね?

そのコンクールの選考課程で手直しというものが、デザインの世界では許されるものなのか?

例えば油絵のコンクールで賞候補に並んだ作品に、

ここが悪いから直して、それ直したら大賞だよ…と言われて、描き足すこと等ちょっと想像できないのです。

立体や工芸でも、搬入の際に壊れたとしても審査の場で直すなど許されなかったし、

まして、まずこれでいいと制作の手を置いたものに、

自分の意志で作り続けるのではなく、他の人の意向を加えるという作業ができるのだろうか?

世にたった一つしかない芸術作品ではなく、デザインは使われるものという意味の持つものだから、

クライアントの意向にこたえるというのは当然のことなのかもしれない。

でもね一般ピープルの私は、「原案」から印象が大分に変わった「完成版」に違和感を持つのです。

 

美術は模倣から始まる。これは誰でもが通る過程ではないだろうか?

模倣から始まり、苦しみぬいて自分のものを生み出した何か…という説得力が、このデザインからは感じられなかった。

昔のデザイン科の学生は水張りした大きなパネルを抱え、これが手で引いたものかと思うほど繊細に烏口を使っていたものだ。

今回のこのエンブレムとやらも、そうやって烏口で描かれたものであったら、印象は違ったのではないだろうか?

7000万円もかけてしまった、あの発表イベント。

エンブレムがどうのよりも、そんなことにそんな盛大なイベントを開く必要がどこにあったのだろう?と、主婦感覚では憤懣やるかたない。

都庁の前の広場で「これです!」とやれば、只で済む話じゃないか!

オリンピックは、金持ちの道楽に成り下がってしまったんあだなあ・・・?

アスリートさんたちへ、もうそんなパトロンだよりの祭典はやめにしないか?

すごいなあ!!そんな感動を与えらえる仕事なのだから、もう少し自分たちで自由に公平にできると思うのだけれど・・・?

 






 

コメント (2)
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8月の本

2015年09月02日 | 本・・・

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:4401ページ
ナイス数:122ナイス

憑神 (新潮文庫)憑神 (新潮文庫)感想
読みだして以前レンタルで観た映画の原作だと思い当たった。西田敏行の貧乏神が印象的だったのは思い出したのだが、他の神様は…?本当の喜劇というのは、こういう切ない思いを抱えているものなんだろうなあ…もう一度映画を観たくなった。
読了日:8月30日 著者:浅田次郎
神様のカルテ0
読了日:8月25日 著者:夏川草介
神様のカルテ0神様のカルテ0感想
ちょっととがった本が続いていたので、心が穏やかになりました。
読了日:8月25日 著者:夏川草介
憂いなき街 (ハルキ文庫 さ)憂いなき街 (ハルキ文庫 さ)
読了日:8月24日 著者:佐々木譲
百年法 下百年法 下感想
広げようとした世界をどのように終わらせるのかと楽しみにしたが、もっとも簡単な終わり方を選んだような…織り込める話はもっともっとあったのではないかと思う。若さを保つ道を選ぶ人間ばかりという設定が、年を取ることを否定しているように感じる。案外に年取るのもそう悪いことばかりじゃない気がするのですが…?
読了日:8月23日 著者:山田宗樹
百年法 (上) (角川文庫)百年法 (上) (角川文庫)感想
子どもの頃ついていけない授業の最中に、教科書の隅に妄想の物語を書き進めた…そんな印象の物語。この本から受け取るべきメッセージは「年寄りがいつまでものさばっているといいことないんじゃない?」や「若いっていうのもいいことばかりじゃない」でいいのか、下巻を楽しみに読もうと思う。
読了日:8月22日 著者:山田宗樹
ワーキング・ホリデー (文春文庫)ワーキング・ホリデー (文春文庫)感想
出来すぎの息子に拍手!こういう男の子っているんだろうなあ…?どうやったらこういう人になるのだろう?
読了日:8月19日 著者:坂木司
僕の好きな人が、よく眠れますように僕の好きな人が、よく眠れますように感想
高校生の息子が図書室から借りていた一冊。息子の留守の間にこっそり読んだ。うーむむむ、こういう本を読むんだという新たな発見。私自身は、これを読んでわくわくする年ごろをとうに通り過ぎてしまい、ほほえましいという感想しか出てこなかった。
読了日:8月17日 著者:中村航
深追い (新潮文庫)深追い (新潮文庫)
読了日:8月16日 著者:横山秀夫
O.tone[オトン]Vol.82(野菜が主役)O.tone[オトン]Vol.82(野菜が主役)感想
よくいくお店が載っているというので購入。写真がこじゃれたありきたりのもので少しがっかり。そうやって見ると、どの記事の写真も同じ感じがする。それぞれのお店の個性って、こういう写真や記事では表れていないのかもしれない。
読了日:8月15日 著者:
看守眼 (新潮文庫)看守眼 (新潮文庫)感想
すごいなあ…短編でもこれだけの世界観が広げられるってすごい!面白かった!
読了日:8月14日 著者:横山秀夫
毎月新聞 (中公文庫)毎月新聞 (中公文庫)感想
面白かった。思わずそうだよなあと思えることがおしゃれな文章で描かれていた。古本屋で見つけたこの本との出会いに感謝!
読了日:8月13日 著者:佐藤雅彦
火花火花感想
文芸春秋掲載を読んで…どういったらよいのだろうか?「筆が細い」という表現で伝わるだろうか?描き出したいものに対して語彙は豊富にあふれているのだが、ふわっと広がるものが少なく、言葉でうめつくされてなお表現が足りないように感じた。書かないところに感じるものが出てきたら、読みたい作家になると思う。一文一文に又吉直樹の空気があり、間違いなく彼の文章だと思いました。このお祭り騒ぎのあとこの書き手にあふれてくるものが、どういうものが出てくるのかそれが楽しみ。
読了日:8月11日 著者:又吉直樹
りゆうがあります (PHPわたしのえほん)りゆうがあります (PHPわたしのえほん)感想
そうかそうかみんな「やる気スイッチ」のようなものだったんだ!なあるほど!!
読了日:8月8日 著者:ヨシタケシンスケ
りんごかもしれないりんごかもしれない感想
これは読み聞かせで、反応してくれる子どもたち込みでなおさらに生きる本だと思う。面白かった。
読了日:8月8日 著者:ヨシタケシンスケ
クラスメイツ 〈後期〉クラスメイツ 〈後期〉感想
前期をするすると読み終えて楽しみに後期を手に取った。少し物足りなさを感じた。「大人」の描き方が足りないように思う。中学生はこれだけ生き生きとしているのに、大人がすべて貧弱、うすっぺらに感じるのはどうしてなんだろう?良い悪いはおいてもう少し骨太の印象が、出てくる大人に感じられれば、中学生の透明感や勢いなども明確になったのではないだろうか?
読了日:8月5日 著者:森絵都
クラスメイツ 〈前期〉クラスメイツ 〈前期〉感想
この世代を描かせたら本当につんとくる。教室という小さな枠組みの中で、ほんの少しのかけ違いが物語になっていく。サイズは違うが大人の社会もこんなものなのかもしれない。
読了日:8月5日 著者:森絵都
豪快バーベキューレシピ豪快バーベキューレシピ
読了日:8月3日 著者:

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