久しぶりに末っ子の学校に出かけた。
10月も近いこの頃、急に朝晩に冷え込むようになって、
まちに灯油やさんのローリーをよく見かけるようになり、
ついこの間まで暑い暑いと言っていたのが嘘のように
道産子の冬支度は始まっています。
お天気はまずまず、木陰の道は気分がいい。
ナナカマドがすっかり赤くなっていて、それにスマホを向けていたら、
もう四半世紀前にもなる自分が湧き上がってきた。
昔、今住んでいるマンションに移る前の頃、
この時期が本当に嫌だった。
もう来る、もう来る、寒くなる と気持ちがざわついた。
気持ちがどんどん落ち込んでいき、そんな自分を持て余していた。
実際に冬になると、あとは春になるのを待つだけと開き直れたのだが、
秋の、この駆け足の時間が辛かった
つらかった、逃げ出したかった、涙がにじんでただじっと時のたつのを待ち望んでいた。
今はがっちりとしたマンション暮らしとなり、
文明の利器に助けられ、そんな気分に苛まれることが無くなった。
家には冬でもお日様が入り、水道が凍ることもない、暖かい室内で私は冬でも靴下がいらない。
なんと有り難いことだろう。
東京の家
基礎が出来上がった。
これから建ててもらう家は、今のマンションの比でない最新式の設備を備える。
それは多分、私の身の丈以上のもの。
だから、
冬が来るのを気がおかしくなりそうなほどおびえたあの時間を、
私は決して決して、忘れてはならないと自分に言い聞かせている。