東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

卒論 製本 いい旅を

2009-03-30 | Weblog
 卒論のテーマは多岐にわたっている。食産業学部が設置されて4年間、初めての卒業生だった。それぞれのテーマは3年の秋に学生とよく話し合って決めた。
4名の卒論の研究題名は以下とした。
1.サンマ漁の操業から加工消費までのライフサイクルアセスメント
2.光回復酵素遺伝子発現誘導の波長依存性
3.太陽エネルギーの高効率利用に関する研究
4.食産業におけるカーボンフットプリントの評価に関する研究―ペットボトル入り緑茶飲料を中心に―

 1.の学生は魚に興味があり水産業を対象に選んだ。宮城県庁の担当者に協力を得てLCAを実施し、県の調査船でサンマ漁も体験した。カンヅメ工場にも行った。大学院対策の英語特訓も兼ねて、国際会議で発表することにした。アブストラクト提出から論文作成まで全てを担当し、昨年12月東京ビッグサイトで開催の第8回エコバランス国際会議で発表した。粘りと集中力がいいね。
 2.の学生は植物の光合成と光エネルギーに興味があった。波長の異なる光を照射した植物の光合成や食料生産への影響について実験研究を行った。東北大学大学院生命科学研究科の先生にご指導を仰ぎ、遺伝子解析の先端の研究を担当した。完璧なまでに努力家でよく頑張った。
 3.の学生は世界のエネルギー問題に興味があった。CDM(クリーン開発メカニズム)を念頭に、JAXAなどの太陽光熱複合発電システムの研究開発のチームに加わり一翼を担った。議事録から設計評価まで何でも実行した。高い集光比の加熱による熱電発電が可能であることを実証した。6月に京都で発表する。実行力は抜群だった。
 4.の学生は食産業のリサイクルや環境負荷に興味があった。ある製品の原材料生産から加工流通消費に至るまでに発生する二酸化炭素の量を表示する、いわゆるカーボンフットプリントの評価を行った。データ収集など大変難しかった。しっかり現実を見つめ壁を乗り越える力があった。
 
 彼ら彼女らの潜在力はすごい。卒論は製本して送った。一緒に勉強させて頂いた。その進路は東北大大学院農学研究科水産系、全国学生人気ベスト50の東証一部上場企業、年商3,000億円の一番伸び盛りの外食企業、年商1000億円の地元の流通業に、それぞれ進学し就職した。
 彼らの4年間はボクの着任の4年間と同時期なので特別な思い入れがあり、ともに成長した。最後に頂いた4人からの手紙には感動し震えた。愛燦燦、人生到るところ青山あり、か。

 Bon Voyage ボン・ヴォヤージュ! いい航海を! いい人生を!



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