東西圧縮回流記

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中国の原子力 環境・経済・安全保障

2019-03-19 | 安全保障


 先日、大阪大学中之島センターで原子力学会の講演会があった。「中国における原子力開発の現状と展望」講師はキャノングローバル戦略研究所の段烽軍氏。阪大の中之島センターは阪大病院と医学部があった場所ですね。

 中国の原子炉の現状は商業運転45基(45.9GW) 、建設中12基 (12.7GW)、審査中26基(32.6GW)、計画92基(109.4GW)で50~150基の間だそうです。小型軽水炉ACP100は2016年建設開始で2019か2020に運転開始、高温ガス炉は2020から商業炉が運転開始予定、北京には高速増殖炉1基が運転中で、上海には2MWのトリウム溶融塩炉があり、もはや日本の優位性は崩れ去っている。

 ご講演のあと懇親会がありお話を伺ったところ、段烽軍さんはもともと環境系の研究者で、原子力の専門家ではありませんがと謙遜されていましたが、シンクタンクの方はスキルとして幅広い評価ができますね。ボクも退職前は環境でメシを食っていましたが、エネルギーの現状を見ると、とても原子力抜きでは成立しない。よく言われるのは3E+S(Energy security, Environment, Economy, Safety)だが、環境の側面からみれば温暖化対策には再生可能エネルギーでは間に合わない。作家の高島哲夫さんからSNSでコメントを頂いたことがありましたが、温暖化対策の環境の観点からは当分、原子力しかないと仰っていましたね。

 日本はマスコミによる風評被害と反対勢力の執拗な足かせで遅々として進まず、中国から見れば、いつまでもそうやって遊んでいなさいよ、アホやな、と言われそうです。日本は少しばかり豊かな時代を経て、一人当たりのGDPは20位以下になり、またもや12才の精神構造を持つ社会へと逆戻りしたのかも知れません。再生エネルギーの推進には、まずは国が豊かならねば進みません。

 気概を持つ若者よ、マイナス志向を乗り越えて前に進もう! まずは原子力を使って前進あるのみ!
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