以下はケント・ギルバート氏が、2017/5/23に、「日本覚醒」そろそろ自虐はやめて目覚めませんか?
日本は「超大国」です。
そのことを自覚していないのは日本人だけですーと題して、宝島社から発売した文庫本(600円)の第一章からである。
日本国民全員の必読の書である。
戦国の軍事力が日本の鎖国を支えた
私は、どこかで日本人自身に、不必要で問違ったコンプレックスがあるように感じています。
特に、欧米に対するコンプレックスです。
WGIPが原因のひとつだと思いますが、刷り込まれた自虐史観の影響を受けつつ、自国の歴史を否定的に捉える傾向を植えつけられたことも、大きな原因でしょう。
ひとつ例を挙げます。
ほんの10年ほど前まで、江戸時代には士農工商の厳しい身分制度があり、さらに鎖国で閉ざされた暗い社会であったというイメージがありました。
『カムイ伝』など昭和時代の暗いイメージの漫画が、その出発点ではないかという説を聞きましたが、調査が進んだいまでは、そのようなことを言ったり書いたりする人はほとんどいません。
実は、江戸時代が暗くて遅れた時代だったという話は、明治新政府が自分たちの倒幕運動や西洋化政策を正当化するためのプロパガンダでした。
しかし、『カムイ伝』などを読みながら少年期を暮らした50代以上の方には、まだそう信じている方が多いかもしれません。
情報や常識を最新版にアップデートできていないのです。
江戸時代はそのような暗い時代ではなく、その後の明治維新と富国強兵を生み出す原動力を蓄えていた時代です。
しかも、非常に先進的でした。
少し遡って検証してみましょう。
戦国時代の真っ只中である1543年、日本で後に「種子島」と呼ばれた鉄砲が伝わりました。
鹿児島沖の種子島にポルトガル船が漂着したことがきっかけです。
日本史の教科書にも載っている話です。
この頃、世界は大航海時代で、ヨーロッパ各国がアフリカやアジア、そして南北アメリカの新大陸に植民地を求めて、海洋遠征していた頃です。
当時は、ポルトガルとスペインが2大強国で、その後をオランダが追いかけていました。
1549年、ポルトガルの王から派遣されたイエズス会のフランシスコ・ザビエルが日本に上陸します。
イエズス会やフランシスコ会など、ローマカトリック教会の宣教師が来たら、これはキリスト教の布教を隠れ蓑にした植民地化を狙っています。
日本の歴史教科書はこの事実をほとんど書かないようですが、実際はそうなのです。
そして、宗教に関して寛容な日本人は、キリスト教を受け入れます。
仏教も外来宗教ですが、最初の頃に改宗した人の一部は、キリスト教を仏教の一種だと勘違いしたようです。
聖書の日本語訳に仏教用語を用いたせいだといわれています。
ただし、日本に変革をもたらしたものは、キリスト教よりも鉄砲でした。
当時の日本は戦国時代ですから、なおさらです。
そして、日本人は昔から器用でした。
鉄砲を見ると、技術者はすぐに仕組みを理解しました。
さっそく複製を作り、やがて改良して大量生産を始めるわけです。
日本には、優れた鉄の加工技術を持つ刀鍛冶が数多くいたことも、大きな要因だと思います。
刀鍛冶は鉄砲鍛冶へと早変わりしました。
その結果、織田信長は鉄砲を大量に保有できました。
恐らくその当時、世界でもっとも数多くの鉄砲を持っていたのは、織田信長だったと思います。
撃つまでの準備に時間がかかるという火縄銃の弱点は、戦術を工夫して補いました。
お陰で信長軍は世界最強の軍隊だったと思います。
この稿続く。