春先から、ツポレフ機がよく堕ちる。
実は、(日本ではほとんど報道されませんでしたが)ポーランド大統領専用機としての投入も検討されていた「後継機種」Tu-204 の一機が、3月22日に堕ちています。モスクワ・ドノジェドボ空港を離陸したツポレフエアー社のチャーター便(Tu-204機)が何らかのトラブルで上昇し切れず、そのままモスクワ郊外の濃霧がたちこめる森林に突っ込んだのです。
機体は大破炎上【※写真(上)参照】。しかし延焼は最小限で済み、(回送便だったことも手伝って)一名の死者も出ませんでした。
つか、(地上接触時の)衝撃は凄まじく、操縦室は下半分グシャン!とつぶれてるんですよね。これでも。パイロットふたりは集中治療室行きだったそうですが、よくもまあ一命を取りとめたモノです。
4月10日のポーランド便も着陸中の、つまり濃霧の中で無理やり高度を下げる中での「地面との激突」だったそうで、悪天候、突っ込む角度などの状況はTu-204 と似ています。
異なっていたのは(1)激突直前の乗員に「不時着する」との認識がなかったこと、(2)機体が旧く、言わば「疲労素材の塊り」だったこと でありましょうか。
ツポレフ機は西側の欧米機と違い、機種の世代代わりにも据え置かれる部品やパーツ規格が数多く、いつまでも旧来の技量で整備しやすいのが特徴。これはツポレフ社に限らず、ロシア産業界全体に根付く技術開発思想です。その「スラブ人のもったいない精神」ゆえに、なかなか旧機種の陳腐化が進みません。いつまでも古い機体が第一線を飛び続けることになります。
加えてポーランドの故大統領は、このTu-204や欧米機への切替を“嫌がり”ました。
見た目、操作系にハイテクを配している【※写真(下)参照】のが(個人的に)お気に召さなかったようです。世の中にゃ、のっぺりした液晶パネルを見ただけで、ナニか電子的に誤作動を起こされそうで不安だ・・・と怯える旧人類がまだまだ大勢います。彼もそのひとりだったのですね。
そりゃある程度、パイロットのアナログな操縦経験を信用するのもいいんですが、(1)ハイテクは悪天候などで人間の眼力を補完できる とか、(2)ただ電子化されただけじゃなく、機体の持つ「耐衝撃安全性」も新造品の方が優れているに決まっている といった視座にも立ってみるべきでした。あまりにハイテク仕掛けを嫌悪し過ぎると、かえって最終かつ総合的な安全性の判断に支障をきたすことになりかねない ─── 今回の悲劇は、いつまでも古いツポレフ機を使い回す航空各社の姿勢にも、ある意味「冷や水」をぶっかけた。。。そう言えるのかも?しれません。
実は、(日本ではほとんど報道されませんでしたが)ポーランド大統領専用機としての投入も検討されていた「後継機種」Tu-204 の一機が、3月22日に堕ちています。モスクワ・ドノジェドボ空港を離陸したツポレフエアー社のチャーター便(Tu-204機)が何らかのトラブルで上昇し切れず、そのままモスクワ郊外の濃霧がたちこめる森林に突っ込んだのです。
機体は大破炎上【※写真(上)参照】。しかし延焼は最小限で済み、(回送便だったことも手伝って)一名の死者も出ませんでした。
つか、(地上接触時の)衝撃は凄まじく、操縦室は下半分グシャン!とつぶれてるんですよね。これでも。パイロットふたりは集中治療室行きだったそうですが、よくもまあ一命を取りとめたモノです。
4月10日のポーランド便も着陸中の、つまり濃霧の中で無理やり高度を下げる中での「地面との激突」だったそうで、悪天候、突っ込む角度などの状況はTu-204 と似ています。
異なっていたのは(1)激突直前の乗員に「不時着する」との認識がなかったこと、(2)機体が旧く、言わば「疲労素材の塊り」だったこと でありましょうか。
ツポレフ機は西側の欧米機と違い、機種の世代代わりにも据え置かれる部品やパーツ規格が数多く、いつまでも旧来の技量で整備しやすいのが特徴。これはツポレフ社に限らず、ロシア産業界全体に根付く技術開発思想です。その「スラブ人のもったいない精神」ゆえに、なかなか旧機種の陳腐化が進みません。いつまでも古い機体が第一線を飛び続けることになります。
加えてポーランドの故大統領は、このTu-204や欧米機への切替を“嫌がり”ました。
見た目、操作系にハイテクを配している【※写真(下)参照】のが(個人的に)お気に召さなかったようです。世の中にゃ、のっぺりした液晶パネルを見ただけで、ナニか電子的に誤作動を起こされそうで不安だ・・・と怯える旧人類がまだまだ大勢います。彼もそのひとりだったのですね。
そりゃある程度、パイロットのアナログな操縦経験を信用するのもいいんですが、(1)ハイテクは悪天候などで人間の眼力を補完できる とか、(2)ただ電子化されただけじゃなく、機体の持つ「耐衝撃安全性」も新造品の方が優れているに決まっている といった視座にも立ってみるべきでした。あまりにハイテク仕掛けを嫌悪し過ぎると、かえって最終かつ総合的な安全性の判断に支障をきたすことになりかねない ─── 今回の悲劇は、いつまでも古いツポレフ機を使い回す航空各社の姿勢にも、ある意味「冷や水」をぶっかけた。。。そう言えるのかも?しれません。