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新潮社『FOCUS』"永久保存版"❕❔ ってのは「無理くり過ぎる"コジつけ"誌名」。こりゃ単に『週刊新潮 別冊 ー さよなら平成特集号』でしかない件。

2019年01月01日 | 日記

以前にも(当ブログで)幾度か書いてる通り、自分は写真週刊誌『FOCUS(新潮社・刊)』を休刊までは全号、リアルタイムに毎週買い続けコンプリート保管してる。

と言っても別に、(溜め込んだ誌面に)目を通し返すコトもないんだけどねw

できれば「始末」したく、十数年前までヤフオクに何度か出品もしたが、世間は(こんなもんに)万単位のカネを出す暇はないらしいw 結局、捨てるのも忍びなく(つか、こんなクソ重いもの段ボール箱×何箱かに詰め運び出すだけでも面倒で)今日に至ってる次第だ。

さあ、それはサテおき先日、『FOCUS ─ "永久保存版"』と副題を振った冊子が刊行された。

もったいぶって、表紙に"往時のロゴ"を小さく掲げてすらいるものの、こいつは(もはや)『FOCUS』とは言えない。

使った写真の半分ほどを(休刊前の)『FOCUS』掲載画像から転載してる、紙面のレイアウトを『FOCUS』復刻風に真似てる、というだけで、これが あの❕『FOCUS』最新刊だ、などとヌカすのは虫が良すぎる。

ごく大雑把に"おさらい"しとくと、『FOCUS』は刊行期間が(創刊から休刊まで)ほぼ、20年間。前半ざっと10年が昭和、残り約10年が平成に属する。実に『FOCUS』は、平成30年間のうち、最初の10年しか「存在してなかった」スクープ・メディアなんである。平成を振り返るのに、何で今さら亡霊みたく『永久保存版FOCUS』なんだ。全然、中身と合ってないだろ?

ただ、貶(けな)しといて言うのもナンだが、自分には週刊新潮編集部の(この不合理な副題付けの)意図など お見通しである。

それは、『平成特集』の中身を見渡せば「歴然と」している。取り扱ってる時期的に、「あれっ❔❔❔ アノ出来事って平成に入ってからだっけ? でっきり昭和のスキャンダルかと思ってた」と思ってたよーな、まさに(当時、FOCUS誌がスクープした)平成最初の10年に偏りが見られる。「最初の10年:あとの20年」の比率が「2:1」で逆転してる構図だ。

また、『FOCUS』休刊10年目に東日本大震災が起きた。

『FOCUS』は、このときにも単発の特集号として臨時復刊してる。だから震災にまつわる記事や特集広告に割かれたページ数分を含めると、『FOCUS』読者層の大半を占める「昭和人」の感性で取り上げられた記事は、実に7割以上に上る。

さらには、2001年~18年に起きた(=FOCUS誌ではなく週刊新潮が伝えた)最近18年のスクープ・ネタも、醜聞に晒された「スクープの餌食」たちの年齢は主に40歳以上。いわゆる「昭和世代」に属する"昭和人"たちだ。

単刀直入に断じてしまえば、この『さよなら平成』。平成と言っても『平成生まれの過ごした平成』ではない。『昭和人の渡ってきた平成』の総集編企画なのだ。

言い換えれば、そのくらい平成生まれのサラリーマンはスクープ誌など買わない。よしんば衝動的に1号限り買ったとしても、(昭和の最後、5年しか過ごさなかった"準"平成っ子の)ベッキーを奈落の底に突き墜とした『週刊文春』くらいのものではないか。

平成の後半15年は、ネット隆盛期。"スキャンダル当事者をコケ下ろして" 溜飲を下げる行動は、ネット上に舞台を移した。書店でスクープ誌に飛びつくような、個人的で屈折した憂さの晴らしかたでは(平成人は)満足できない。

だから新潮社は、この『FOCUS』でもない『週刊新潮 - さよなら平成特集』を『FOCUS』だと偽って売るのである。買ってくれるであろう見込み客は結局のところ、昭和人しかいなかったから。日本において、〈紙の雑誌〉というメディアが死んだ時代 ─── それこそが平成だったのだから。
 
 

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