いちど吾妻橋をわたって、本所吾妻に行ってみたかった。
大川(隅田川にに架かる吾妻橋は、浅草と本所を結ぶ江戸期以来の橋である。
山本一力の時代小説『大川わたり』でもおわかりかと思うが、江戸時代は隅田川のことを”大川”とよんだ。
「吾妻橋」は、その大川に架けられた5番目の橋である。
かの「江戸名所図会」で広重は、左に吾妻橋と富士、右に浅草寺を描いた(←画像下/右)。
いまも昔も浅草と本所をつなぐ大動脈になっている。
吾妻橋をわたると、一丁目一番地ともいうべきところに、なぜか「23番BANNCHI」というカフェがある。
下町からぬカフェである。
この日はサイクリングクラブの連中がゾッと押し寄せた。
全員がお目当てのビールで乾杯している。
なんでもこの店にしかない隅田川ポーターだとか。
付きだしはコロッケサンド。註文してから揚げてくれるからだそうだ。
店内には、ぎっしりとメニューが貼られている。
ワイン、リキュウール、焼酎。ハンバーグあり、パスタあり。50種類を優に超える品数だった。
本所は東京スカイツリーのお膝もと。
こうして下町から、蜘蛛の巣のようにはりめぐった電線の中でみる東京スカイツリーも,また一興とパチリ
本所吾妻橋には老舗の佃屋さんがやたら目につく。
いまも吾妻橋のたもとに「あみ清」という古い船宿がある。
昔はこの店の舟に乗って品川沖へと鯊釣りに繰り出した。
はぜといえば江戸つくだにの定番である。
BS朝日のテレビ番組「ちい散歩」で見かけた『鮒五』という佃煮やさんに入る。
『鮒五』は明治27年創業のつくだに一筋の老舗中のしにせ。
この店の”細切昆布”は浅草寺ご用達の絶品だとか。
かなりの種類の中から、私は”ハゼ”と”あさり”を土産に買って帰ったのである。
吾妻橋はまた池波正太郎の『剣客商売』にも登場した。
秋山小兵衛、大治郎親子が大活躍した場所でもあった。
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