おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

初恋(!?)~中編

2007年12月11日 23時49分28秒 | ふりかえり
 今日は、Hさん編です(笑)。
 でも冒頭は、Aさんの話題から。


 Aさんには男友達がいた。
 昼休みになると、

男友達「ほーちゃん(Aさんのこと)~!一緒に昼飯食べよう~!」

 と、Aさんに大きな声を掛ける。
 あ、この人もAさんのこと好きなのかな…僕は直感でそう思った。
 でも付き合ってるとか恋人同士とか、そういう感じではないようだ。
 その人はAさんも入っている友達グループの中心的存在のようだった。
 「あ、勝てないな」すぐにそう思った。
 僕がAさんと知り合うずっと前からの友達。
 その人に対する、Aさんの自然な態度が僕の心を沈ませた。

 僕は、競争が苦手。
 勝つにしろ、負けるにしろ。
 競争は、最後にはどちらかが必ず悲しい気持ちになる。
 そんなことしなくていいじゃんか。みんな「勝ち」だよ。
 でも、そんな気持ちを持っている僕に、答は出るはずもなかった。

 だから僕は次第にその男友達を避けるようになり、Aさんとは、友達の関係でいることにした。

 そこで浮かび上がってきたのが、Hさんの存在。
 最初は、よく見ると可愛いよな、くらいに思っていた。
 Aさんとの関係がはっきりしない僕の心の隙間に、Hさんの存在はするっと入り込んできた。
 別の友達の後押しもあった。Aさん、Hさんとは反対の右側の席に座っていた男の子で、なぜか僕とHさんをくっつけようと、いろいろ応援してくれた。予備校の帰り道、僕のずっと前を歩いているHさんを見つけては僕のところまで飛んできて、わざわざHさんのところまで僕を引っ張ってくれた。
 そんな強引な作戦が成功するはずもなく、僕とHさんは中途半端な空気のまま、駅で別れた。
 「朝早く来て会わない?」僕はHさんにそんな言葉を伝えたこともあった。
 次の日本当に早く登校した僕に、例のお節介な友達は、その心意気を買って褒めてくれた。
 でもそんな作戦も、中途半端なまま終わった。別に特別仲良くなることもなく、嫌われるわけでもなく。
 そんな頃は、Aさんと僕の仲が良かった。頻繁にノートやカセットテープを貸し借りしていたのもこの頃。Aさんとはこの空気のままでいいや、と思っていた。
 例のハンサム、Mくんとも仲良くなった。彼はいいヤツだった。
 授業の合い間、4人でよく笑って話した。この頃の4人の間の空気は温かくて、今思い出しても仲が良かったな、と思う。
 お節介な友人は、自律神経失調症になって、もう予備校に来なくなっていた。

 僕にはもうひとり友達がいた。僕の右隣に座っている男の子で、内気な、目立たないヤツだったけど、僕とはよく気持ちが通じた。
 次の年に大学に合格してから、僕の学校に遊びに来てもらったくらい、仲が良かった。

 話は戻る。
 僕はその頃、Hさんと付き合うのだと躍起になっていた。
 高校の部活の友達と会うことになっていて、それまでには付き合って自慢するんだ、とか、ただひたすら、「恋人がいる」ということに憧れを抱いていた。
 そんな相手の気持ちを無視した小学生以下の僕に、Hさんがなびいてくれるはずもなかった。
 しばらくして、Hさんに彼氏ができた。
 僕はその時、とても悲しかったけれど、なぜか涙は出なかった。ただ呆然と信じられない気持ちでいた。僕は「絶望」に出合っていた。
 当たり前の結果だったと今では思う。
 僕は、「太平洋から昇る朝日を見るのだ」と、自転車を漕いでひたすら東に向った。なぜだか知らないが、それをしなくてはいけない、と思い込んだ。
 僕は地図も見ずに、自分が本当はどこにいるのかもわからずに、東…千葉の銚子岬を目指した。夜通し走った。真夜中、自転車がパンクした。地図もなく、土地勘も全くなく、真っ暗な道を、僕はただ歩いた。膝が痛くなって曲がらなくなった。でも、不思議と不安な気持ちはなかった。
 少し明るくなってきた。もう千葉県には入ったのだろうか。周りは畑と森ばかり。自転車のパンクを直したい。僕は太陽が昇るのが東だから、そっちに向えば海に着く、そう思って、太陽の方向に歩いた。
 僕は朝早い農家の軒先を覗いた。ひとりのおばあさんが起きていた。そのおばあさんに自転車屋の場所を訊き、パンクを直してもらった。
 そのあと見つけたモスバーガーに入って、久しぶりの食事をとり、そこで仮眠した。店員は、なんだろうこの人、という顔で僕のことを見ていたと思う。
 日が完全に昇ると、僕はもう、銚子岬に行くことはさっぱり諦めていた。
 今度は道路の上にある掲示の矢印を見ながら、東京に戻った。今度は特に迷わず、あっさりと家に着いたんだと思った、確か。
 母親に心配を掛けた。「海を見るの。それを今しなくちゃだめなんだ」それだけ電話で告げて、一晩帰らなかった。

初恋(!?)~前編

2007年12月11日 01時34分31秒 | ふりかえり
 初恋では決してないんですが、僕が高校を卒業して、初めて経験した、恋。
 気の多い僕は、いきなり2人の女の子の間で心を迷わせました。
 ダメダメですよね。
 ひとりはショートカットの似合うちょっとボーイッシュな女の子、Aさん。
 もうひとりは時々眼鏡をかけるけど、眼鏡を外したときの方が可愛いな、と僕は思った…Hさん。
 Aさんはいつも明るくて、可愛い、誠実な性格。
 Hさんは真面目で、少し性格暗いかも?よく悩んでいた。
 どちらも可愛い女の子でした。

 大学受験に失敗し、(滑り止めは受かったけど、蹴った)
 僕は春から予備校通いが決定。
 その初日。
 自分の席につくと、左隣の席には可愛い女の子が。
 ショートカットの似合う、Aさん。ムチャクチャ僕のタイプ。見た瞬間、心の中で、ガッツポーズを作ったものね!この人と、1年間隣の席なのだ。
 その向こう隣を見ると、これまた女の子。この子も可愛い。彼女がHさん。
 そしてその更に隣には男の子。M君とでもしておこうか。まつげが長くて、ハンサム。ううむ。

 Aさんとはすぐに仲良くなった。ノートや、授業中に先生の声を録ったカセットテープを貸し借りした。ほとんど僕が貸す一方だったけど。
 貸し借りをするようになってからすぐ、返ってきたテープに、手紙が入ってくるようになった。
 内容は、いつもノートとテープを貸してくれるお礼と、「勉強頑張ろうね!」というお互いを励ます言葉。その手紙は今でも残っている。彼女らしい読みやすい字体…

 彼女とは1度だけ、自習室で待ち合わせて、一緒に勉強をしたことがあった。
 正直告白すると、その頃の僕はただ予備校に通っていただけで、勉強の内容など、頭の中には全く入っていなかった。
 それでも、意味はわからなくともノートは真面目にとっていたので、Aさんの役に立てた。
 その頃の僕の頭の中にあったのは、恋愛のこと、友達のこと、音楽のこと…それくらい。
 頭の中はAさんのことばかりで、自習には全く身が入らなかったのを覚えている。
 むしろ覚えているのは、ランチでマックに2人で入った時のこと。
 デートみたいなシチュエーションに、僕はカチカチ。
 しかも周りは興味津々の女子高生達。
 その好奇の目を感じながら、僕たちは昼食を終えた。Aさんと何を話したかなんて、全く覚えていない。

 Aさん、Hさん、Mくんと僕の4人は、1年間で本当に仲良くなった。
 帰り近くの空いた時間に、4人でお互いの眼鏡のかけあいをしたりした。
 (眼鏡っ子:裸眼比率=1:1)

 Aさんとは、予備校の壮行会が終わって、予備校に通わなくなった後で、1度、手紙のやり取りをしたことがあった。
 4人が仲良くなったことが本当に良かったと書いてあった。
 最後に、受験終わったらみんなで遊ぼうね!とあった。
 僕は返事の手紙に、「春休みに遊ぼう!」と書いた。

 でも、4人が、予備校以外で会うことはなかった。

 4人の仲は、微妙なバランスの上に成り立っていたのだと思う。