おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

ONE EYES(13)

2009年06月07日 01時48分30秒 | 小説『ONE EYES』

第4章 え?親友ってヤツ。(4)


「あぁマンガ?」
「そう」
「漫画は卒業した」
「ふうん」
「今はイラストとか漫画じゃなくて、ちゃんとした絵を描いてるんだ、ここで」
「……カッコイィ」
「はあ? 気持ち悪いよ」
 修は棚にビッシリ詰め込まれている絵画作品の角を弄くったり、脇を真っ直ぐ沿って撫で回したりした。
 照れてるな、と慎平は思った。
「ここにお前の描いた絵も有んだろ?」
 慎平が訊ねた。
「あるけどお前には見せねーよ」
「見せろ」
「嫌だ」
「はっ倒すぞ」
「……マジ? 怖っ」
「じゃあ見せろ」
「……そのうち見せてやるよ……そうだな、お前がここの生徒になったら」
「なあに言ってんだか。俺は今日1日だけの見学だぞ……あの将って奴みたいな事言いやがって」
「将さん? そんなことお前に?」
「ああ」
「あんまりイメージに無いな。どっちかというと人見知りする人だと思ってた」
「どこが」
「慎、将さんに気に入られたんじゃん?」
 慎平は両腕で自分の体を包んで大げさに震えた。
「気色悪っ。お前2度とそんな事言うなよ……あー寒気する」
「将さんそんな悪い人じゃないぞ」
「俺ん中のイメージじゃ最悪だから」
「あーそうなんだー」
「そうだよ」
 慎と将の間に何があったんだろうと、修は疑問に思う。
 その時、襖を『ボクボク』と叩く音がした。
「はあい」
 修が応えると、
「ちょっと入っていいですかあ?」
 みどりの声だ。
「いいっすよ、もちろん」
 応えたのは慎平。
「失礼しまーす」
 みどりが襖を開けて入ってきた。
「お話弾んでるようで。あっちにも結構聞こえてきてるんですけど」
「そうなん!? 恥ずっ!」
「別に聞かれて困るような話じゃないでしょ」
「そうかなあ」
「将さんの件(くだり)以外はね」
「ゲッ」
「ほら慎」
「まあ気にすること無いわよ。将さんなら気にしないと思うから」
「そうなのか? 滅茶苦茶根に持たれそうな気がするんだけど」
「こら慎平!」
 注意したのはみどりであった。
「まあとにかく……」
 みどりは部屋の片隅に置いてあった、大きめの買い物袋を手に取った。
「これを取りに来たの」
 慎平と修の2人はそれがなんなのか知りたいのだが、
「じゃあごゆっくりー」
 みどりは袋を持ったまま、隣の部屋に行ってしまう。
 なんとなく2人は取り残されたような感じ。

   *  *  *

 久々の『ONE EYES』になります。
 昼寝し過ぎたせいか、今の時間まで寝付けません。
 朝7時に起きる習慣を付けようと決心した矢先なのになあ。
 まあそのお陰で更新です。

 母は今のところ大きな山を越えた小康状態なのだそうです。
 起きると苦しい状態なので、薬で眠っています。
 母と話が出来るようになったらこれ以上なく嬉しいのですが。
 願いを祈り、それを信じる事にします。

 ではでは。