竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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豊の秋佛を囲むほとけたち 金子青銅   

2018-08-31 | 


豊の秋佛を囲むほとけたち 金子青銅
  

豊年 (秋の季語:生活)
     豊年(ほうねん) 豊作(ほうさく)
     豊の秋(とよのあき) 出来秋(できあき)

季語の意味・季語の解説
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 冷害、干ばつ、暴風雨などに遭わず、五穀、とくに米が豊作だった年を豊年という。
 秋の季語。

 昔の人たちにとって、穀物の作況は命を左右する一大事であった。
 ゆえに、豊作の喜びは、今とは比べ物にならない大きなものであった。

 現在は、栽培技術の進歩や品種改良などによって凶作が減ったこと、仮に凶作でも食料の輸入で生死にかかわる事態には陥らなくなったことから、一般国民の豊作を喜ぶ心、そして、百姓に感謝する心は薄らいできていると言われる。

季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 輸入食料の氾濫する現代日本では、豊年を心の底から喜ぶ人の数は、少なくなっているのかもしれません。
 しかし、「豊年」を季語に俳句を詠む場合は、やはり「喜び」に満ちた作品を作りたいと思います。

 私は、人々だけではなく、土、山、風、空… あらゆるものが豊年の喜びを分かち合ってくれていると信じた上で、目に映る景色を詠むように心がけています。
 以下の俳句においては、星たちも、空を舞う鳶(トビ)も、地上の豊年を一緒に喜んでいます。

  豊の秋佛を囲むほとけたち 金子青銅
  
  家染めて豊年の藁焚ける火か 大野林火
 
  すぐそこといはれて一里豊の秋 八染藍子

  豊年を呼び交しゐる山河かな 福田甲子雄

  豊年や汽車の火の粉の美しき 沢木欣一

  豊年の稲架夢殿の裏に組む 椛沢田人

  腿太き土偶に割れ目豊の秋 矢島渚男

  畦の子のこけしに似たり豊の秋 今井つる女


  豊年の星見て待てる始発かな (凡茶)

  ややを負ふ子に豊年の鳶の笛 (凡茶)
      やや=赤ちゃん。 負ふ=おんぶすること。

 なお、「豊年」という季語は、それだけで金色の稲穂がなびく田園を連想させますので、稲穂の似合う景色を描くことを心がけたいと思います。

参照 http://haiku-kigo.com/category/7337844-1.html

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