春がほんのりと感じられる季節になりました。
そんな時に、アトリエの隅にあったこの絵を見つけました。
こういう作品は、個展で展示することがない作品群なのですが、
なんか「ホッと一息」させてくれるというか、肩の力が抜けて安心感があります。
表情もとぼけていて、いいなあと。
個展では、やはり「これが、武内ヒロクニだ!」と力作を並べたいという意思があって、
当人が凡庸なと感じた作品は、除外されています。
ヒロクニさんは、現在アンリ・ルソーの絵をいろんな所へ、ベタベタと貼っていて、
今まで、気づかなかったルソーの素晴らしさに、開眼したらしく、部屋中に張ってある。
こちらは、台所に貼られた絵の一部。
私は、台所へ座っていると、右の男性の肖像に目がいってしまい、
なぜかこの絵とにらめっこをしている。
髭の部分とかもとても気になる。
あと、ルソーは絵葉書から風景を描くこともあるというのを、教えてもらった。
そのような事は、全然知らなかった。
そんな風にほんわりと過ごしていたら、ヒロクニさんは急に体調を壊してしまい、
我家は、病院に状態に・・・。
寝ているヒロクニさんは、「じっと僕のそばにいて欲しい」。と言い出して、
寝ているヒロクニさんを、椅子にすわって見ていて、
「あれ作ってやら、ヒロクニさんの机の上の物をどけろ!お前は気がきかん!」等と憎たらしいことを言う。
しまいに「細かいことに気が付かない女は・・・・」等と言う。
心の中で、「だって、私はおおまかな性格なんだから、絶対むりだよ~ん」と清まし顔。
普段、その細かさに私は迷惑している。
しかし、反抗せず「そうですか・・・」と言えるようになった。
自分で褒めてつかわすわ。
絵も細かいし、ヒロクにさんは、細かい気質なんだろうね。
今ようやく、落ち着いてきてホッとしています。
ヒロクニさんは、寒さが緩み、寒暖の差が激しい3月にいつも体調を壊します。
確か、昨年は、入浴中に意識不明になって救急車を呼んだ。
80才になったこともあり、「僕は老人だ!」を強調するようになった今年のはじまりです。
私は「無理はしないように」。と言っているが、調子が良いと突っ走っていく性格がヒロクニさんです。
「私はもう死にたい」。とか言い出したりして・・・・(私は、本当は死にたくないのを知っている)
「あなた死にたいのだったら、東尋坊へ行きますか?」と言ってやった。