冬に描いている油絵。
紙に油絵具。
使われている紙は、74歳の頃に書かれている日記のようなのです。
裏には、文字と絵があり、
この絵は、文字の上から描いた模様。
長田区明泉寺・・・、
方法はなく・・・・、
フザケタ生き方・・・、
流れ・・・・、
探して・・・・、
B・B美術館・・・等と切れ切れに読めるのですが、
何を書いているかは分かりません。
ヒロクニさんって、普段でもこういう感じの人で、
一緒にいても、分け分からん時が多い。
私としては、理解するより、寄り添う方に重きを置いているので、
「兎に角、一緒に居ればいいんだろう!」なんです。
今は、冬で、冬への文句、不満をいいつのるヒロクニさんの話は、
「どうせたいしたことは、言っていない。」と一決して、一緒にいることに重きを置いています。
こうやって、人の話を聞かない愚妻にひとっ走りの冬です。
案外、悪妻になるって、楽しいことかも・・・、しれません。
ヒロクニさんは、変な人で、何も感じてないこともよくあります。
こんな調子の私に向かって、「君は、オタオタしないのがいい!」と言ってくれます。
この絵の左に「オートバイ」と書かれています。
私は、「これは、やっぱりオートバイの絵なの?」と聞いた。
ヒロクニさん「俺の友人に、オートバイ乗りがいるだろ?」「それを描いている。」と。
私は、オートバイに乗っている2人の人の絵と思っていたが、左の部分は、
オートバイの部分だそうです。そう、説明してくれました。
ヒロクニさんの絵は、聞いてみないと分からないことも多く、
いつもつい質問をしてしまいます。
『オートバイ』という題名の小説があります。
作者は、ピエール・ド マンディアルグ。
こちらの小説は、「あの胸にもういちど」という映画になって有名です。
主演が、アラン・ドロン、マリアンヌ・フェスフル。
マリアンヌは、撮影当時ミック・ジャガーの恋人であり、若くてとても可愛い。
映画は、出来としてはあまり良いとは、個人的には良いと思えないのだが、
ヒロクニさんの書斎(明石の頃)にいつもこの本があった。
マンディアルグの小説が非常に好きだったようで、何度もその話を聞いたように思う。
私は、いわゆるフランス文学は苦手な人であったが、話はよく聞いた。
また、この本を訳している「生田耕作氏」とも若い時に交友があったようで、
この方の訳の本は、ほとんど読んでいたみたい。
フランス文学の名訳で非常に有名な人で、京大名誉教授だという話も教えてもらった。
現在は、神戸での個展は、ギャラリー島田で開催しているが、
もっと以前にした神戸・元町でのパルパローレでの個展では、その生田耕作氏が、
着物の着流しで来てくれたそうである。
この本も、書斎でよく見たと思いだします。
この本の銅版画は、山本六三氏か、アルフォンス・井上氏が表紙を飾っていると思います。
どちらがというのが、ちょっと思いだせません。(間違っていたらすいません)
この2人は、ヒロクニさんが若く、洋画家として出発する絵画仲間だったようで、
井上氏には、「非常に感謝している。」と話すたびにいいます。
山本氏、井上氏は、描写力はもうすでに抜群だったようだが、
ヒロクニさんは2人とは、異質な存在だったようで、
「武内、お前は何か違う。だけど、何かがいい!」と言ってくれてねぇ。」と、ヒロクニさんは、照れくさそうに言う。
途中から、距離をおいて各自の道を歩んで行くようになったようです。
山本六三氏は、没後、兵庫近代美術館で展覧会が開催され、
ヒロクニさんは、「ロクちゃんも、よく頑張ったねぇ。」と言い、若くして亡くなったのを悲しんでいた。
ヒロクニさんの脳裏の「ロクちゃん」は、若い時の姿を思い出しているのが、感じられる。
↓山本六三氏の作品を1点紹介します。
エロスを感じる作品です。
ヒロクニさんが感謝しているという、アルフォンス・井上氏の作品は、
↓こちら
こちらは、死とエロスがテーマ。
繊細な作品です。
ヒロクニさんの絵にも、エロスをテーマにした作品はあるのですが、この2人とは、全然違う表現であります。
ヒロクニさんは、私から言うと土人的だ。
家では、すぐ服を脱ぎ、上半身裸になるし、庭にも裸足で出る。
電化製品のボタンを凹む程強く押し、スイッチが奥へ引っ込ます。
使えるトースターをじゃまと思えば、外へ出してしまう。
「雨降ったら、使えなくなるから、ヤメロー!!!」と、私は怒鳴るのであった。
その辺が、表現仕方の差になって、武内は、武内の道を歩んでいったようです。
3人で芸術を熱く語り、試行錯誤していた頃は、青春でもあったようで、
笑い話のようなエピソードも話してくれるます。
ヒロクニさんは、「豚毛の筆を使ったらいいよ。」と言われた時、
豚を思い浮かべ、豚の毛の生えてる様子を思い浮かべて、
「そんな毛のまばらな筆があるのか?」と、ありありと豚の毛の表面を思い浮かべたそうで、
頭の中が??????だったそう。
そんな人なんですが、絵画道60年になり、今、現在に至っています。
今日の「オートバイの絵」に使われている‘赤い色’が、私は好きかなぁ~。
「赤い色いいね。」とヒロクニさんに言ったら、
「ライトレッドなんだけどねぇ。」と、言われました。
「ふぅ~ん。」と、思ったのでした。
同時に、パソコンをウインドウズ7から、ウインドウズ10に変え、
電話回線も変えてしまって、パニックになっていました。
段々、時代についていくのに、疲れを感じています。
そんな時は、ピピちゃんに癒されて、立ち直ることにしています。
↑私が料理をしている時に、後ろでくつろいでいるピーです。
料理の合間に、名前を呼ぶと、顔を上げてこっちを見ます。