ピンクは夕焼け
武内の中では、「夕暮れ」というタイトルが付いたものは
大抵ピンクの色で染まっています。
これも夕暮れの絵かもしれません。
塔のような建物から、
狼煙(のろし)のように煙りが出ています。
積み木が積み上げられたような搭は、
とても可愛く感じられます。
ただ、この塗り込められた色鉛筆の画面から
浮かびあがる亀裂のような風合いがなんとも不思議。
特に茶色の部分では、それがよくわかる。
この亀裂の効果なのか、古典的な風合いになっている。
この皺の効果は、紙を独特なしごき方で、
よれさしているのです。
私が、理解しがたい行為の1つ、
私の世界の七大不思議に入るのですが・・・。
当人は、紙を触ったらどんな紙もすぐしごいてなめしてしまうようで、
「それの紙は、しごかないでいいのとちがうの!」と、注意します。
手が勝手に動いてしまうらしい。
今日はクリスマス。
クリスマスの仕事はすっかり干されてしまっているヒロクニ画伯。
クリスマスにまったく興味がないヒロクニさんなので、
我家は、師走、正月に向けて突進しています。
しかし、子供達にとっては、クリスマスツリーもプレゼントも楽しいもの。
子供の絵画教室をしていた頃は、クリスマスのオーナメントをモチーフにしての油絵や、
休憩時間のおやつをいつもと違うものを用意すると、
“いつもと違う”というだけで、「ワーイ!」という声が上がったものだ。
素直で可愛く思いました。
時々、ませた年長の子が「サンタさんは、僕達のお父さん、お母さんなんだよ」と言い、
幼い子が、目を丸くして固まっていたりする事態に遭遇したり。
思わず、「サンタさんは、いますよ」とその子の目を見て、
うなずきながら大丈夫と目で合図したことが思い出されます。
私も子供の頃、母から「サンタさんが夜来るから、明日の朝、プレゼントがあるかも?」と言って
楽しみに寝た記憶があります。
朝起きると長い靴下に角張ったものが入れられていて、その靴下が赤くもなく普通の靴下で・・・。
靴下の形が変形して、随分無理に伸にのびていた。
もう、入れるのに必死な感じがあって、
妹と「どうしてこんな靴下をサンタさんは選んだのだろう?」とか
「これ入れるのサンタさん大変だったのじゃない?」と話していました。
その日は、小さな庭には、雪だるまも作ってあった。
その雪だるまは、マトリョーシカのような形で汚れた部分がなく、
すべらかな曲線で、目も口もボタンもすべてマジックで描かれていて、
とても可愛い顔をしていました。
繊細な感じのする雪だるまでした。
こういうクリスマスは一回だけで、二度はなかった。
こういったらナンだけど、このクリスマスで父はすべてを使い果たしたのだと、
大人になってから分る。
当時、張り切ったのでしょう。かなり。
しかし、マジックで雪に目とか描けるのだろうか?
だけど、描かれていたのですよ。
こんな思い出を思い出すと、子供にはクリスマスは、とても素敵なものだと思います。
いいクリスマスを送られますように!
ピンク色は、クリスマスに合うかなと思い、今日の絵を取り上げました。
我家には、クリスマス感覚は今ないので、何とかクリスマスに合う絵を探してみました。
現実に戻ります。
夕方、ヒロクニさんに「文章って読むのは楽だけど、書くのはたいへんだねぇ~」と私。
今は、長編小説、かのファンタジーの金字塔『指輪物語』を読書中。
ちょっと間をおいてから、「確かにそうだ」とヒロクニさんが真顔で言った。
「俺、最初小説家になろうと思ったけど、それ、そうはいかなくてねぇ」と。
ふ~ん、と私。
「でも、書いてみたことはあるの?」と聞く。
どうもあるらしい・・・。
それで、「どんなストーリーだったの?」と。
「いや、それはアプリオリ的な発想で・・・」と。
「その、アプリオとかは何よ。さっぱり分らない。ストーリーを聞いているのォ!」と。
「アプリオリも知らないでそんな事聞くの?」と返事されても分らないので、
「そう、聞く」と強気に出た。
聞くと「心中する話」というではないか。
もう、聞いただけで男女の心中する話なんだろうと察しが付く。
もう、長年いると思考が読み取れる時もある。
かつての恋人の話を何回も話されているから、どうせそれに近い内容と洞察した。
ひつこく問い詰めると、
「歩いていた建物の描写から始めてみて、夙川の海へ出る道をよく知っているから」
「いや、中学生の頃、○○、俺と一緒に歩こうと女性に言ってみたら、
ハイってついてきてくれて、ただ行って、○○帰ろうということがあって、
それをモデルに書き始めたのだけど、うまくいかなくてねぇ~」と。
それを言った後、
「元々、私にはジェンダーはあったんだ」と言ったかと思うと、
「男ってのは、挑んでいくもので、女はいかないものでしょ」とか、
「女はヒステリーだ」と、話が分けがわからない方へ進んでいく。
(あなたは人に忍耐を強いる存在で、ヒステリーを起させる源なんだから、
周りの女性は皆、ヒスを起すのは当然の事なんじゃない?と内心思う。)
また「推理作家にもなりたかった」とも。
そうして、ミステリーの話を延々するのでした。
翌日になって、憑き物が落ちたような顔をして、
「アプリオリなんていって悪かったね。そんな方法論を言っても小説はかけないね」と言いながら、
すまん、すまんと手を出してあやまるのです。
それに驚いたけれど、横目で見て、
「そのアプリオリとやらを行ったら、私の『ねずみの冒険』を聞かせるゾォ!」と脅しておきました。
その『ねずみの冒険』とは、いったい何なのでしょうか?
ややこしい話をされた時に話してやるつもり。
謎にしておきます。
そして、「その指輪物語って何巻まであるの?」と聞かれ、
「10巻」と言うと、
「迷惑やねぇ」とため息をつきながら言うのです。
何で10巻あったら迷惑なのか、その理由は何なのよ!とその言葉の方が謎。
そんなことがありながら、正月の料理は何にしようと思案中。
今年は、小鉢で料理を出そうかなと思いついた。
そうすると、新しい小鉢を買いたくなるのでした。
大、中、小の小鉢に料理をのせ、並べた様子を浮かべ、うっとりしています。
この妄想している時間は、とても楽しい。
↑食卓の花。
菊を頂いたので、庭の南天と一緒に飾ってあります。
お正月になると、庭の松の木を切って南天と合わせて花を飾ります。
↑ストーブの前でくつろぐピピ。
くつろいでいるにしては、目が怖い。
どうも私が大好きらしくて、周りで常に鳴く猫ちゃんに成長した。
抱っこをしてもらって、撫でられながらジーと見つめると鳴きやみます。
「ピーちゃん、そんなにズーとピーばかり見てられないの!」と言う。
写真にある、こういう顔の時は、遊びたいモードらしく、「ぴー、ぴー」鳴きます。
この名前、とても合っているようで今になって納得なんです。
ヒロクニさんが付けたのですがね。
私のクリスマスの思い出やら、
私達のある日の会話や、正月気分やら
まぜこぜになりました。
最後まで読んで下さった方、てんこもりの話を読んで下さりありがとうございます。