武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

部屋(作品紹介765)と 坂道を行くと

2024-02-20 09:54:40 | Weblog

この絵は、アトリエに貼られていました。

それを見つけた時は、「この絵は素晴らしいですね。」と言われず、

「武内さんらしい絵ですね。」と言われる部類かな?と思いました。

この絵はインパクトはあるので、

つい目がいってしまう絵で、その度に眺めていました。

電球みたいに見える顔の部分はピンクのクレヨンで描かれていて、

それが目立つのです。

ブログを書く前に、この絵のことを聞いてみようと思い立ち、

「この絵について、何か言って下さい。作者として、何か一言ないですか?」と聞いた。

少し笑いながら、「見る方が、好きにみたらいい。」と言う。

はぐらかされているような感じでもあるので、

「それはそれなんだけど、作者としてこの絵について一言でもいいから言って欲しいのよ。」と、食い下がる。

そうしたら、「この絵は1分ぐらいで出来たからねぇ。」と言い、

「こういう絵は、描いている内に派生する絵で、この絵以外にもたくさん出来てくるんだ。

 例えば、今描いている絵があるだろ、(目の前の絵を描く振りをしながら)

 ちょっと行き詰った場合、この小さな紙をこっちへ持ってきて、(横に重ねられている別のメモを取り出す)

 これの続き・・・・、続きというわけでもないか・・、

 このメモに色を擦り付けて見ると、勝手に手が動いて出来てくることがあるんだ。

 失敗というか、全然ダメなものもあるけどねぇ。

 この絵は、そういうふうにして出来上がった絵で、

 顔の表情がキュートに仕上がっているから、壁に貼っている。

 この絵はそれ以外なにものでもないよ。」と。

思うような答えは返ってこなくて、過程の話が詳しく語られたのでした。

「好きに見たらいい。」と言われましたので、

わたしの主観的見方を言いますと、

“窓辺にある卓上照明“のように思いながら見ていました。

コンセントが伸びていて、スイッチらしきものまであるという具合に。

窓の外は、嵐で、怪しげな屋敷の一角。

錬金術でもやっていそうな人物の住まう部屋。

怪しさが全開の絵と思っていました。

鉛筆とクレヨンで描かれています。

先ほどの話からクレヨンで描かれた絵は、

わりと短時間で仕上げているのかもしれないと思いました。

1分というのは、本当?

大げさに言っている感があります。

 

 

2月というのに、暖かい日がありました。

その日は、ヒロクニさんが散歩すると言うので、

このチャンスを逃してはいけないと思い、家の用事は後回しにして散歩に付き合うことにしたのです。

家の近くにある坂を登るというのでついていきました。

すると、小さな公園があり、滑り台やブランコがあり、その近くに保育園があったのでした。

さらに上に行く階段があり、上ると高台のようになっていて、

葉の落ちきった木と鉄棒だけがポツンとあり、

座る所もなく、私達は突っ立っていた。

あまり手入れをされていないようで、地面にはあちこち石が転がっていて、

頂上の公園は、子供は危ないからいくなという注意をされているに違いない。

周りを見渡すと、近くに山が迫り、下には民家と畑があり、所々に葉ものを植えている様子が見て取れる。

頂上は殺風景で、寂しさを感じる公園だ。

山の方を見ると、山の中腹に寺が立っているのが見えたり、

禿山になっている箇所が、目の前にせまって見える。

このせまり方が神戸だな、と思う。

この日は、いい天気で春の陽気すら感じる日だった。

そのせいかヒロクニさんは、薄紫色のセーターに黒のジャケットといういでたちで、すっと立っていた。

背筋がまっすぐ伸びて、立っている姿は一本の棒のようだ。

家で見る姿は、よれたトレーナに股引姿で、ぶつくさ言う口というのが固定されているので、

「この人、外にいる姿の方がいいんだ。意外と見栄えするな。」と思い、

いつもとは違うヒロクニさんを見たという感じ。

御歳86才、今年で87歳だ。

個人差はあれ、86歳でこの感じはいいのかもしれないと思い、

やっぱり普通の人とは、エネルギーが違うのかもしれない等と思う。

家にいても絵を描いている時も、椅子に背もたれはなく丸椅子で前かがみになって制作。

そして、足を踏ん張っているらしい。

今でも長時間制作だ。

以前より、仮眠を取るとぐっすり寝るけれど・・・。

歩くことを生活に組み込んでくれたら、きっとパワーアップするに違いない。

やはり、もっと歩かせないといけない・・・と決意した。

わたしの周りで、1日に1万5千歩~2万歩を歩くという目標が掲げられている。

わたしもよく歩いたと思っても1日8千歩止まりなのだ。

大体、6千歩がいいところ。

そう、ヒロクニさんが現役でいる為には“歩くこと”だ。

まず、意志を持ってもらわなくてはいけない。

そこで、自ら買い物へ行くとあちこちと回り、歩数を増やす。

帰って来てからは、「歩くと、やっぱりいいわね。」と言い、

「わたしも年齢より動けるようにしておかないと思ってね、

 身体は動かしておかないと錆びると思うわ。」と言う。

こうやって、お前も歩くのだという啓蒙をしているのです。

時々、そうかもしれないと思うのか、

「春になったら、街に出るから一緒に行こう。」と言うことが増え、

「春になったら、小旅行しよう。」と。

そして、時々玄関がガラッと開く音がする。

股引姿で、家の近くを歩いていたようです。

歩くことを気にしているようで、効いてる~と思いクスッと笑ってしまいました。

お年寄りは気遣ってあげないといけないとは思いますが、

我家の場合は、老体に鞭打つ、負荷をかけ、元気を維持するという論理に落ち着きそうです。

後は、実行するのみ!

ここをヒロク二さんがクリアするのが難しそうだ。

口ばかり動く人だからね。

 

 

突然の暖かい日が訪れ春が待ち遠しくなりました。

以前の住まいで植えていた花、2013年の庭の写真から。

↑ヒヤシンスの球根が大きかった頃の庭。

手前は、プリムラとカルーナをあわせて石で囲ったりして、

うっとりとしていたのを思い出します。

↑こちらは、亡きジルと桜草。

外が好きな猫でした。

友人の猫ちゃんの訃報を受けて、飼い主の心配をしていたので、

思い出したのでした。

かつての猫達を。

キタハマも可愛かった。

 

今日は、散歩から目標2万歩(どんな周りかは秘密)という出来そうにない話。

目指せ、2万歩ということで終わりたいと思います。

老人は、鞭打て!わたしにも言い聞かせることにします。

たいしたことない話題を長々と書きました。

最後までお読み下さった方、ありがとうございます。