『ダーティハリー3』(76)(1983.4.10.日曜洋画劇場)
1と2は映画館で見たのだが、3ともなると、先が読めてしまう気がしたし、最初のイメージを崩されるのも嫌な感じがして、今日まで見ずにいた。ところが、この映画に関する限りは、1の迫力には及ばないにしても、2は完全に上回っていたのだ。
何より、タイン・デイリーが演じた女性相棒の人物描写がよく描かれていて、原題の「IN THE ENFORCER=執行者」が示す通り、「女だってやればできるのよ」と主張しているあたりが、いかにもアメリカらしいと思わされた。
また、これまではクールでハードな面しか描かれなかったハリーの心優しき一面が、彼女の存在によって引き出されていたところも面白かった。
加えて、警察上層部や市長の汚さに対して、それに反抗するハリーをはじめとする下部の警察官が、体を張って対処する様子が描かれるのだが、これが目には目を式で、見ていてあまりいい気持がしないし、汚職まみれの警察を描いた『セルピコ』(73)などを見ていると、半分夢物語のように映ってしまうところがある。
まあ、こうしたアクション主体の映画にそうした社会性を望むのは酷なのかもしれないが…。