田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『マネーボール』

2020-04-29 10:32:47 | 映画いろいろ

『マネーボール』(11)(2011.11.13.MOVIX亀有)

 以前、妻との会話という形で「お気楽映画談義」というブログをやっていた。全く噛み合っていないその時の記事から。

夫:久しぶりにプロ野球を生で観戦したので、今回は去年見た野球を扱った映画について。ブラッド・ピット主演の『マネーボール』。

妻:初マツダスタジアム、よかったねー。芝生のにおいがして感動した~。

夫:この映画でブラピが演じたのは、出塁率や選球眼を重視した“マネーボール”を提唱して、メジャーリーグに革命を起こしたオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーン。実際のビーンと比べると、見た目はもちろん、性格や生きざまもちょっとかっこ良く描かれ過ぎている気もするけど、ブラピが正攻法で演じていて好印象を与えられたね。

妻:チャラいブラピじゃなくてよかった。でもブラピは美形だから、どんな役を演じても、どことなく甘い感じがするんだよね。そこが彼のいいところですが…。

夫:アート・ハウ監督を演じたフィリップ・シーモア・ホフマンとビーンの補佐役を演じたジョナ・ヒルも好演を見せてくれた。

妻:かっこいいといえば、ブラピよりもむしろ彼(ホフマン)の方だったかな。最近、ものすごくダイエットしたらしいです。

夫:それから、脚本のスティーブン・ザイリアンが、天才少年チェスプレイヤーを描いた『ボビー・フィッシャーを探して』(93)『シンドラーのリスト』(93)に続いて、実録映画のお手本のような脚本を書いていた。メジャーリーグの球団経営の裏側が赤裸々に描かれているから、野球のルールを知らない人でも、企業経営のノウハウを描いた映画として楽しめると思うよ。君もそうじゃなかった?

妻:そうですね、メジャーリーグの世界はよく分かりませんが、球団経営の大変さはよく分かりました。カネ!カネ!カネ!

夫:何よりこの映画は、一見ドライに見えて、実は“ベースボールへの熱い愛”を貫いている。試合の場面にもリアリティーと迫力がある。これが映画と野球が好きな者にとってはたまらないツボになるわけ。2011年の映画ベストテンの一本に入るな。

妻:なるほど~。ところで、今後の野球関連映画として、重松清さんの『赤ヘル1975』なんかを映画化したらいいと思います。あの小説の時代を、あの土地(広島)で同じように過ごした私にとっては、ぜひ映画になってほしいものですわ~。
 
夫のひとりごと 野球映画の付録
その1
 『マネーボール』の原作に影響されて書かれたとも思える『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の映画版(11)をテレビでやっていたので何の気なしに見始めた。で、肝心の試合の場面の描き方が稚拙で興醒めさせられるところもあったけれど、結局最後まで見てしまった。ほかのスポーツが題材だったら途中で見るのをやめていたかも…。やっぱり俺は野球が好きなんだなあとつくづく思ったよ。選手たちよりも大泉洋が演じた監督の方に感情移入していたところがあるかな。
 
その2
 『グラン・トリノ』(08)を最後に俳優は引退するかも…と言っていたクリント・イーストウッドが4年振りに出演した『人生の特等席』(TROUBLE WITH THE CURVE)が今秋公開になるそうだ。彼が演じたのは、メジャーリーグの伝説的なスカウトだというから今から楽しみ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アイアンマン』

2020-04-29 09:00:07 | 映画いろいろ

『アイアンマン』(08)(2011.2.20.日曜洋画劇場)

 原作はマーベルコミックだが、日本の石ノ森章太郎の漫画やアニメ、ドラマなどからも強い影響を受けていると感じた。オサマ・ビン・ラディンの存在、軍需産業の存在価値など、アメリカにとっての“アフガンの憂鬱”を、できるだけばかばかしく単純に描いているところがハリウッド映画の真骨頂だ。

 実際、こんなやつ(アイアンマン)がいたら助かるなあ、といったところか。ただし、前半が長過ぎてだれるし、結局最後までテンポの悪さは解消されなかった。

 ドラッグからの復帰後のロバート・ダウニーJr.は、こうした、半ばお気楽な役に冴えを見せる。一方、秘書役のグウィネス・パルトローは『恋におちたシェイクスピア』(98)でオスカー受賞後、作品に恵まれていない気もするが、『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』(04)にも出ていたから、本人は意外とこういう役が好きなのかもしれない。

 もう一人のオスカー俳優ジェフ・ブリッジスが、スキンヘッドでひげぼうぼうの悪役を楽しそうに演じていたが、この映画→『クレイジー・ハート』(09)『トロン:レガシー』(10)『トゥルー・グリット』(10)と続く演じ分けには恐れ入る。思えば、彼は昔からあまり作品を選ばない人だった。

【今の一言】この頃は『アベンジャーズ』まで広がっていくとは、思いも寄らなかった。 

【インタビュー】『ライオン・キング』ジョン・ファブロー監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1a0e3542ca0468087b27c55125579fbe

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする