『フレンチ・コネクション2』(75)
執念の鬼となるポパイ
ハードなアクションが評判となった『フレンチ・コネクション』(71)の続編です。ジーン・ハックマン演じるポパイ刑事とフェルナンド・レイ演じる麻薬組織のボスのシャルニエという配役は同じですが、監督はウィリアム・フリードキンからジョン・フランケンハイマーに代わりました。
今回は、ポパイがシャルニエを追って単身、仏マルセイユへ乗り込みます。前半は、ポパイと地元刑事(ベルナール・フレッソン)とのカルチャーギャップによる珍妙なやりとりがユーモラスに描かれます。ところが中盤、ポパイは敵の手に落ちて監禁され麻薬中毒にさせられます。ここは普段はハードなポパイが情けない姿になって苦しむギャップの大きさで見せます。
そして終盤は、立ち直ったポパイが執念の鬼となってシャルニエを追い詰めていきます。前作はカーチェイスが見ものでしたが、今回はポパイの激走がハイライトになります。ハックマンがさまざまな顔を見せながら大活躍します。
パート2ものは失敗するのが常ですが、この映画は『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)と並んで、珍しくオリジナルを超えた作品として記憶に残ります。2本続けて見ると、フリードキンとフランケンハイマーの演出法やキャラクターの捉え方の違いが分かって面白いですよ。