田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

ビデオ通話で西部劇談議『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』とコメディ西部劇

2020-10-19 21:14:27 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回は『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)を中心に、コメディ西部劇について語り合った。まずは覚書から。

・スピルバーグとゼメキスが「たとえ、変則的であっても、西部劇を作りたい」と考えて、西部の街並みをセットで再現した。

『荒野の決闘』(メアリー・スティンバーゲン演じる女教師クララのモデルはクレメンタイン。特にダンスシーン)、『荒野の用心棒』(マーティはこの時代ではクリント・イーストウッドを名乗る。ラストの対決)など、西部劇のパロディが満載。

・西部劇にしては、誰も死なない。実はビフが保安官を射殺するシーンがあったが、カットした。

・酒場のバーテンはマット・クラーク、客にハリー・ケリーJr.やダブ・テイラーの姿も。

事前にコメディ西部劇の一覧表を作ってみた。

『マルクスの二挺拳銃』(40)マルクス兄弟、監督エドワード・バゼル

『腰抜け二挺拳銃』(48)ボブ・ホープ、ジェーン・ラッセル、監督ノーマン・Z・マクロード、【備考】主題歌「ボタンとリボン」

『彼女は二挺拳銃』(50)ダン・デイリー、アン・バクスター、監督リチャード・セイル、【備考】端役マリリン・モンロー

『腰抜け二挺拳銃の息子』(52)ボブ・ホープ、ジェーン・ラッセル  監督フランク・タシュリン

『底抜け西部へ行く』(56)ジェリー・ルイス、ディーン・マーティン、監督ノウマン・タウログ、【備考】端役クリント・イーストウッド

『縄張り』(58)グレン・フォード、シャーリー・マクレーン、監督ジョージ・マーシャル、【備考】シープマン

『アラスカ魂』(60)ジョン・ウェイン、スチュアート・グレンジャー、監督ヘンリー・ハサウェイ 

『マクリントック』(63)ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、監督アンドリュー・V・マクラグレン、【備考】「じゃじゃ馬ならし」

『キャット・バルー』(65)ジェーン・フォンダ、リー・マービン、監督エリオット・シルバースタィン、【備考】マービン一人二役

『テキサスの五人の仲間』(65)ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード、監督フィルダー・クック、【備考】ポーカー

『ビッグトレイル』(65)バート・ランカスター、リー・レミック、監督ジョン・スタージェス、【備考】禁酒

『テキサス』(66)アラン・ドロン、ディーン・マーティン、監督マイケル・ゴードン、【備考】油田

『夕陽に立つ保安官』(68)ジェームズ・ガーナー、ウォルター・ブレナン、監督バート・ケネディ、【備考】保安官

『荒野の大活劇』(69)ジュリアーノジェンマ、シドニー・ローム、監督ドゥッチョ・テッサリ、【備考】遺産相続

『テキサス魂』(70)ジェームズ・スチュワート、ヘンリー・フォンダ、監督ジーン・ケリー、【備考】娼館

『真昼の死闘』(70)クリント・イーストウッド、シャーリー・マクレーン、監督ドン・シーゲル、【備考】メキシコ革命

『地平線から来た男』(71)ジェームズ・ガーナー、ジャック・イーラム、監督バート・ケネディ、【備考】炭鉱

『ミスター・ノーボディ』(73)ヘンリー・フォンダ、テレンス・ヒル、監督トニーノ・バレリ、【備考】原案セルジオ・レオーネ

『ブレージングサドル』(74) ジーン・ワイルダー、クリーボン・リトル、監督メル・ブルックス、【備考】主題歌・フランキー・レイン

『サボテンジャック』(79)カーク・ダグラス、アーノルド・シュワルツェネッガー、監督ハル・ニーダム

『サボテン・ブラザース』(86)スティーブ・マーティン、チェビー・チェイス、監督ジョン・ランディス、【備考】無声映画

『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、監督ロバート・ゼメキス、【備考】タイムトラベル

『マーヴェリック』(94)メル・ギブソン、ジョディ・フォスター、監督リチャード・ドナー、【備考】ゲスト・ジェームズ・ガーナー

『荒野はつらいよ』(14)セス・マクファーレン、リーアム・ニーソン、監督セス・マクファーレン、【備考】ゲスト・クリストファー・ロイド

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『クリムゾン・タイド』

2020-10-19 08:10:07 | ブラウン管の映画館
『クリムゾン・タイド』(95)(1995.7.31.ブエナビスタ試写室)
 
   
 
 原子力潜水艦を舞台に、核ミサイルの発射ボタンをめぐる艦長(ジーン・ハックマン)と副官(デンゼル・ワシントン)の対立を描く。
 
 この映画の宣伝文句は「冷戦は終わっていない」。事実、ソ連崩壊後の政情不安、ロシアからの核物質の流失などもあり、そうした意味では、現実的な側面も持ち合わせているとも言える。
 
 ところが、ワシントンとハックマンは頑張ってはいるのだが、トニー・スコットの監督術がまたしてもいま一つで、一触即発状態という緊迫感が画面から伝わってこない。これを見ると、同じく潜水艦内を描いた『Uボート』(81)のウォルフガング・ペーターゼンはすごかったといまさらながら思わされる。
 
 もっとも、この対立する艦長と副官という構図はエドワード・ドミトリク監督の『ケイン号の叛乱』(54)の現代版であり、軍隊の曖昧さという点では最近のロブ・ライナー監督の『ア・フュー・グッドメン』(92)にも似たところがあった。つまりは、アメリカ映画の常套手段に、今の政情を巧みに取り入れたとも言えるのだ。
 
 ところで、ハックマンといえば、冷戦終結間際に作られた、締まらない米ソのスパイ合戦を描いた『ロシアン・ルーレット』(91)に主演していた。あの映画のあまりの緊張感のなさを見て、「あー本当に冷戦は終わったんだなあ」と実感させられた覚えがある。
 
 その後も、ハリソン・フォード主演の「ジャック・ライアン」シリーズなどでの描かれ方の変化を見るにつけ、冷戦はますます遠くに去った感があったのだが、新たにこの映画が出てくるということは、冷戦終結は表向きであって、表に表れない分、実はさらに恐ろしい事態になっているのでは…という心配も浮かんでくる。
 
 とはいえ、少々うがった見方をすれば、ソ連という仮想敵国を失ったアメリカが、薄くなった軍隊の存在をアピールしたいから、こういう映画が出てくる、とも言えるのかもしれない。いずれにしても、ボタン一つで核戦争が起きる状況に何ら変わりはないということだ。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ボディガード』

2020-10-19 07:10:13 | ブラウン管の映画館

『ボディガード』(92)(1993.5.4.渋谷東急3)

 抜群の歌唱力を誇る歌姫レイチェル(ホイットニー・ヒューストン)に脅迫状が届き、ボディガードのフランク(ケビン・コスナー)が彼女の警護を担当することになる。2人は、始めは対立するが、次第に互いに引かれ合うようになる。ヒューストンが歌う主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」が大ヒットした。

 遅ればせながら、今年(93年)の正月映画の目玉をやっと見た。そして、予告編を目にした時から思ったのだが、この映画のコスナーは、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)にも増して、スティーブ・マックィーンに似ている。

 いや、もともとこの映画はローレンス・カスダンが、マックィーンとダイアナ・ロスを念頭に置いてシナリオを書いたのが発端とのことなので、コスナーがマックィーンのイメージを踏襲したということになるのかもしれない。

 だから、マックィーンのファンの一人としては、「もしこの映画がマックィーンの主演で撮られていたら、晩年が不遇だった彼の代表作の一本として残ったかもしれない」という思いが、見ている間中ちらついて、しかも、ここもマックィーンが…と思わせるシーンが多いものだから、集中して見るのが難しかった。似ている、というのも、こういう場合は罪だなあ。

 もちろん、この映画のヒューストンやマイケル・ジャクソンといった黒人のスーパースターが認知された今だからこそ、こうして映画化できたのであろうし、その意味では、間違いなく“今の映画”ではあるのだが、もう一つ締まらない、と感じたのは、こちらがマックィーンの幻影をイメージし過ぎたからか、はたまたカスダンが、自分で監督をやらずに、イギリス出身のミック・ジャクソンなる新人監督に撮らせたためか。

 それにしても、ケビン・コスナー。『再会の時』(83)では出演シーンをカットされた俳優が、よくぞここまで、いい役ばかりを演じる俳優になったものだ。まさしく、アメリカンドリームの体現者の一人ということになるだろう。

【今の一言】この時点では、ヒューストンの不幸な死やコスナーの凋落は、誰も予測できなかったはずだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【インタビュー】『彼女は夢で踊る』加藤雅也

2020-10-19 06:10:39 | インタビュー

 10月23日から新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。ストリップ劇場の社長を演じた加藤雅也に、映画への思いや、役作り、広島の印象などを聞いた。

「低予算の地方の映画に出るときは、普段とは違うキャラクターが演じられることに意義がある」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1246100

『彼女は夢で踊る』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/19c110b5bb6c7f2c650ade49d03574d6

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする