共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
カンバーバッチが、複雑なアメリカの西部男を演じた
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
カンバーバッチが、複雑なアメリカの西部男を演じた
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『子鹿物語』(46)(1974.5.5.NHK)
原作はマージョリー・キナン・ローリングス、監督はクラレンス・ブラウン。フロリダ北部の開拓地で農業を営む一家の息子ジョディ(クロード・ジャーマン・ジュニア)は、ある日、森の中で子鹿を見つける。ジョディは、白い尻尾にちなんで“フラッグ”と名付け、兄弟のようにかわいがるが、成長したフラッグは作物を荒らすようになってしまう…。
初めて見たのは中学2年の子供の日。吹き替えは、ペックはいつもの城達也ではなく柳生博で、ワイマンは市原悦子、ジャーマン・ジュニアは武藤礼子だったことを覚えている。
カラー画面に映える自然の美しさに目を見張りながら、子どもながらに、ペックの優しい父親に比べて、生活の厳しさとかつて子どもを死なせた負い目から、息子につらく当たってしまう母親を演じたワイマンが何だかとても哀れに見えたものだった。最後に鹿を撃って家出をするジョディのやるせない気持ちに共感したが、今なら彼を心配する両親の気持ちの方がよく分かる。