『カラミティ・ジェーン』(53)
デッドウッドと呼ばれる西部の小さな町。男勝りの射撃の腕前をもつジェーンは、ある日、町に人気女優を連れてくると約束しシカゴへと向かうが、間違って付き人を連れ帰ってしまい大騒動になる。
西部開拓時代の実在の女性ガンマン、カラミティ・ジェーン(ドリス・デイ)と早撃ちの名手ワイルド・ビル・ヒコック(ハワード・キール)の恋を、軽快な歌とダンスで描くミュージカル・コメディー。監督はデビッド・バトラー。主題歌「シークレット・ラブ」がアカデミー歌曲賞を受賞した。
この映画は、同じくミュージカル西部劇の『アニーよ銃をとれ』(50)のヒットにあやかって製作されたのだろう。『アニー~』のベティ・ハットン同様、男勝りのジェーンが、次第にレディになっていくギャップの面白さが見どころで、相手役はどちらもキールなのだから。
ただし、デイが演じるジェーンの扮装は『平原児』(36)のジーン・アーサーのパロディ的なものになっているらしい。
今夏、ジェーンを主人公にしたフランス産のアニメ映画『カラミティ』が公開される。