田中雄二の「映画の王様」

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「BSシネマ」『決斗!一対三』

2021-11-27 07:46:14 | ブラウン管の映画館

『決斗!一対三』(52)

 テキサスに実在した賭博師で無法者としても名高いジョン・ウェス・ハーディンの自伝を基に、賭博と決闘に明け暮れた波瀾万丈の半生を描く西部劇。監督ラオール・ウォルシュ、脚本バーナード・ゴードン。原題は邦題とは全く違う「THE LAWLESS BREED」。

 聖職者で厳格な父(ジョン・マッキンタイア)に反発して家を出た青年ウェス(ロック・ハドソン)は、賭博が元で人を殺してしまう。追われる身となったウェスは酒場女のロジー(ジュリー・アダムス)に助けられ、2人で逃亡するが…。

 いい加減で荒っぽい進行やご都合主義が目に付くのだが、テンポがいいからついつい見てしまうといった感じ。何しろ83分で全ての方を付けてしまうのだから…。最近のやたらと長いだけの映画とは比べるべくもない。

 前半の若き日は、役柄のせいもあり、でくのぼうのように見えるハドソンだが、後半の老けた姿はなかなかよかった。酒場女から農婦に変身する相手役のアダムスは『大アマゾンの半魚人』(54)のヒロインが有名だが、最近まで長く活躍した。

 また、この映画は脇役が楽しい。主人公の父と叔父の二役を演じたマッキンタイア、ヒュー・オブライエンとリー・バン・クリーフ(砂塵の中で撃たれる)とマイケル・アンサラが兄弟とは…。デニス・ウィーバーやコメディリリーフ的な葬儀屋も登場する。

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