『マッドマックス』(79)『マッドマックス2』(81)(1983.6.29.蒲田パレス座)
パレス座で、ジョージ・ミラー監督によるバイオレンス・アクション「マッドマックス」大会。というわけで、1~2と通しで見ることができたのだが、自分としては、どちらかというと、ストーリー的には1の方に好感が持てた。
『1』は、凶悪な暴走族の暴行殺人が多発する近未来。相棒の死をきっかけに警察を引退したマックス(メル・ギブソン)は、家族と休養の旅に出る。ところが旅先で暴走族グループに妻子を殺されてしまう。復讐心に燃えるマックスは、暴走族用に開発された追跡専用パトカー「インターセプター」を駆って、単身、壮絶な闘いを仕掛けていく、というストーリー。
『2』は、暴走族に妻子を殺されたマックス(メル・ギブソン)の壮絶な復しゅう劇から一転、戦争で石油の価値が命よりも貴くなった苛酷な未来社会で伝説となっていくマックスの熾烈な戦いを描く、というもの。
で、『2』の世界にまで行き着いてしまうと、例えば『世界が燃えつきる日』(77)や『未来元年 破壊都市』(79)といった、核戦争後のサバイバルストーリーの甘さを思い起こさせるところがあり、あまりいい気持がしない。
ただ、アクション映画としての面白さや、『1』よりもキャラクターの扱いに膨らみがあるところ(例えば、小型オートジャイロに乗って、空から来た男)には、進歩の跡がうかがえた。
また、このシリーズが、西部劇の焼き直し的な使い古されたストーリー展開の割に、どこか捨て難い魅力を持っているところが不思議だが、恐らくそれは、オーストラリアの広大な景観が、それだけで見る者を圧倒するような力を持っているからだろう。
長く伸びたハイウェイ、画面いっぱいに広がる空、地平線のある風景…。これらは、残念ながら日本映画では決してお目に掛れないものなのだから。
『2』では、空から来た男(ブルース・スペンス)のキャラクターが面白かったが、1では、主人公マックスの妻を演じたジョアン・サミュエルのさわやかさが光った。
【今の一言】この後、『マッドマックス/サンダードーム』(85)が作られた。
そして、30年後に、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)
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