若大将シリーズ
『大学の若大将』(61)(1980.8.16.)杉江敏男
お決まりのストーリーと出演者だが、安心して見ていられるし、今時作れないような映画だし、青大将(田中邦衛)やタコ(江原達怡)など、脇役も楽しく、古き良き時代を思わせる。大学に入って現実を知った人たちが、この映画にロマンを求める気持ちは、自分もその一人なのでよく分かる。
『銀座の若大将』(62)(1976.11.14.)杉江敏男
『日本一の若大将』(62)(1978.9.8.)福田純
『ハワイの若大将』(63)(1984.1.2.)福田純
『エレキの若大将』(65)(1976.4.23.)岩内克己
『アルプスの若大将』(66)(1993.2.9.)古澤憲吾
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/27b084ac80211421a2021ec6fffffda2
『レッツゴー!若大将』(67)(1977.4.9.)岩内克己
『ニュージーランドの若大将』(69)(1977.1.1.)福田純
『俺の空だぜ!若大将』(70)(2011.5.21.日本映画専門チャンネル)小谷承靖
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2dfbae2565421711828ce19296690a98
『帰ってきた若大将』(81)(1982.4.1.)小谷承靖
公開当時は、たのきん映画『青春グラフィティ スニーカーぶる~す』と併映されていたので見なかった。それにしても、みんな年を取ったなあというのが、この映画の第一印象。
若大将=田沼雄一(加山雄三)も青大将=石山(田中邦衛)も、もはや中年となり、名物おばあちゃんだった飯田蝶子はすでに亡く(写真で登場)、マドンナも、星由里子、酒井和歌子の時代は昔々(今回は坂口良子とアグネス・ラム)となれば、なぜいまさら若大将なのか、という気がする。往年のシリーズも、若大将がサラリーマンになってから、がくんと人気が落ちたのではなかったのか。
確かに、寅さん同様、分かり切った安心感を持つことは出来るし、若大将と青大将の掛け合いを見て、うれしくなったりもする。けれども、それだけなのである。
ニューヨークマラソンのシーンにしても、当然、昔の『日本一の若大将』(62)のような、はつらつと走る若大将の姿はなく、中年になった若大将の苦しそうな走りを見せられるだけ。かつてのシリーズは、めちゃくちゃな明るさとはつらつとした加山雄三が魅力だったのに…。
役者だって当然年を取る。若き日の思い出はそのままにして、年を取ったらそれに見合った役をやるべきだ。変なノスタルジーに浸ったような映画は、かえって昔の良さを消してしまうのではないか。頑張る中年若大将なんて…。いつもはノスタルジーに浸り過ぎる自分としては、随分と厳しい見方になった。
こうして並べてみると、そのほとんどが東宝の映画。彼は紛れもない東宝のスターだったのだと改めて感じた。