洞窟探検家・吉田勝次の狂気じみた探検の様子を見せる「探検アドベンチャー 魅惑のポッカリ穴」(NHK)というドキュメントを見ながら、思い出したのが、この2本の映画。
『サンクタム』(11)(2011.9.17.MOVIX亀有)
「なんで洞窟なの?」(旧ブログ「お気楽映画談議」から)
妻:3D好きとしては、押さえておきたい『サンクタム』ということで…。洞窟探検家父子のお話。
夫:『アバター』(09)のジェームズ・キャメロン、今回はプロデューサーのみだけど、地下水、地下湖、大雨、海とくれば、過去の監督作である『アビス』(89)『ターミネーター2』(91)『タイタニック』(97)に続く“水を使った特撮もの”の流れを汲んでいる映画だとも言えるね。
妻:洞窟ものを3Dにするって微妙ね。アリの巣のような巨大洞窟探検を映像でリアルに表現したい気持ちは分かるんだけど、場所が場所だけに壮大なようでいて、実はせせこましいような…なんだか中途半端な気がしたわ。
夫:閉所や迷路を3Dにしても距離感がつかめないから画面に入り込めない。何でも3Dにするのはどうかと思うな。
妻:玉泉洞、秋芳洞、井倉洞、満奇洞、行ったことのある鍾乳洞(観光地)の記憶を総動員ながら見つつ、暗くて恐ろしいあんな場所を探検するなんて私には絶対に無理だと思ったわ。『ディセント』(05)みたいになっちゃったらどうすんのー。洞窟だけにホラー穴!。というよりは、スプラッターといったほうがいいぐらいの血しぶきで、あれはすごかったわ~
夫:洞窟だけに話が横穴に入ったね。地底ものと言えば、昔テレビで見たジュール・ベルヌ原作の『地底探検』(59)は、今から思えば随分牧歌的な特撮だったけど面白く見た覚えがあるよ。
妻:話を戻しまして、『サンクタム』で偉大な洞窟探検家ではあるが、価値観の違う父のことを理解できない息子が「何で洞窟なの?」と尋ねる場面では「よくぞ聞いてくれました!」と思ったもんよ。
夫:洞窟フェチオヤジの懺悔と父子の和解を3Dで見せられてもねえ…。彼らが和解する間に周りの人間が次々に死んでいくのも後味が良くなかったなあ。人間ドラマとしてもイマイチでした。
『ディセント2』(09)(2011.5.22.ムービープラス)
妻が『1』は面白かったと推薦。しかも先に見た『アリス・クリードの失踪』(09)のJ・ブレイクソン監督が、脚本家として参加しているとのこと。
というわけで見てみると、これは『エイリアン』(79)の地底版とも言うべきB級ホラーだった。血しぶきなどは、見ていてあまり気持ちのいいものではないが、特殊メークと着ぐるみで表現された地底人の滑稽味が残酷描写を緩和している。
ブレイクソンの脚本という意味では、密室、どんでん返し、グロさと滑稽味の共存が『アリス・クリード~』と通じるのかな。含みのあるラストを見ると『3』もありそうだが。