田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

名脇役であり、怪優でもあった三谷昇

2023-01-28 13:53:43 | 映画いろいろ

 黒澤明監督の『どですかでん』(70)で演じた、理想ばかり口にして子どもを見殺しにするホームレスの父親役から映画での仕事が増えたという。 

 最近では荻上直子監督の『川っぺりムコリッタ』(21)で、吉岡秀隆がこの役を意識したと思われる父親役を演じていた。

 また、市川崑監督の金田一耕助シリーズの『犬神家の一族』(76)『病院坂の首縊りの家』(79)での鑑識課員、『獄門島』(77)での偽復員服の男も印象的。

 行商人、警官、車掌、教師、旅館の主人、番頭…。特撮物からロマンポルノまで幅広い役柄を演じた。そして、独特の容貌と口跡も相まって、たとえ、ほんの少しの出演場面でも、忘れられないような印象を残した。名脇役であり、怪優でもあった。

貴重なインタビューを見つけた。
https://todorokiyukio.net/2020/10/12/7950/

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【インタビュー】『レジェンド&バタフライ』大友啓史監督

2023-01-28 12:01:14 | インタビュー

 木村拓哉と綾瀬はるかの共演で織田信長と正室・濃姫の知られざる物語を描く、東映創立70周年記念作『レジェンド&バタフライ』が、1月27日から全国公開された。監督は、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史、脚本は「どうする家康」の古沢良太が担当した。大友監督に、映画に込めた思いなどを聞いた。

「戦国時代を舞台にした“運命の物語”を大画面で堪能してほしい」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1369379

 

 

 

 

 

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『ボーンズ アンド オール』

2023-01-28 09:16:02 | 新作映画を見てみた

『ボーンズ アンド オール』(2023.1.25.ワーナー神谷町試写室)

 人を食べたいという衝動を抑えられない18歳の少女マレン(テイラー・ラッセル)は、同じ秘密を抱える青年リー(ティモシー・シャラメ)と出会う。

 自らの存在を無条件で受け入れてくれる相手を初めて見つけた2人は次第に引かれ合うが、同族は絶対に食べないと語る謎の男サリー(マーク・ライランス)の出現をきっかけに、危険な逃避行を迫られる。

 『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グァダニーノ監督とシャラメが再びタッグを組み、人食いの若者たちの愛と葛藤を描く。『君の名前で僕を呼んで』の同性愛の次は何と食人ときた…。この監督は、何やらシャラメに対して歪んだ愛を抱いているような感じがする。

 第79回ベネチア国際映画祭で、グァダニーノ監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)、ラッセルがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞したが、アメリカでは賛否両論が飛び交っているという。

 カニバリズム(人食い)を、マイノリティや差別、行き場のない者たちのメタファーとして描いているのは分かるのだが、人食いの場面や血の洪水の生々しさが生理的に駄目だった。ところが、試写室で隣の女性は泣いていた。これは究極の愛を描いているのか、それとも単なるゲテモノなのか…。いずれにせよ、好みは大きく分かれると思う。

 また、これは吸血鬼やゾンビとも違う新手のホラーと呼ぶべきなのかと疑問に思った。この映画を見ると、「食べちゃいたいぐらいかわいい」とか「骨まで愛して」などという言葉が、不気味に感じられたりして、ちょっとおかしくなる。

 ただ、全米各地を転々とする行き場のない男女の逃避行の様子は、ニューシネマのロードムービーをほうふつとさせるところがあった。

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