田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『転校生-さよなら あなた-』『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』

2024-01-02 16:43:05 | 映画いろいろ

 長野でロケが行われた映画では、ヒロインが蕎麦屋の娘という設定だったので、善光寺周辺や松代、戸隠で撮影された大林宣彦監督の『転校生-さよなら あなた-』という映画があった。

『転校生-さよなら あなた-』『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』(07)(2007.6.4.角川試写室)

 

 ジョン・ウェインのファンとしても知られる大林宣彦監督に、新作のPRにかこつけてジョン・ウェインについてのインタビューを依頼。というわけで、事前に1日で2本の新作を試写することに。

 まず、朝の10時から麹町の試写室で『転校生』(82)のリメーク版『転校生-さよなら あなた-』を見る。一端仕事場に行って作業をし、また試写室に戻って午後6時から『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』を見た。

 もともと大林映画は、ご本人が徹底的に自分の世界に酔った、見る側にとっては少々照れくさく感じるファンタジーに、中途半端な現実やメッセージを盛り込む支離滅裂なところが弱点なのだが、それでも以前は“大林ワールド”と呼ばれた力業を駆使して、見る者に懐かしさや切なさを感じさせる不思議なパワーがあった。

 ところが、この2本ではそうした不思議なパワーが影を潜めて、自分勝手な思いを延々と聞かされたような違和感を抱かされた。どうして『転校生』をいまさらヒロイン(蓮佛美沙子)の難病ものとしてリメークしなければならなかったのか? 

 『22才の別れ』の主人公(筧利夫)は自分とほぼ同世代の設定だが、「ノストラダムスの大予言」に影響されて、その後の人生の目標を見失った者などいない。なので、これもひどく乱暴な設定というほかない。2作ともまさにゆるゆるの出来で見ていてひどく疲れた。

 帰宅後、NHK BSで『駅馬車』(39)を再見。今週は折良くジョン・ウェインの特集。改めて、わずか1時間36分で描かれる密度の濃いドラマとアクションとの見事な融合に感動した。大林さん、ジョン・ウェインのファンなら、もう一度この映画を見て、最近の自分の映画がいかにしゃべり過ぎで説明が多いか、いかに独りよがりで空虚な2時間になっているかに気づいてくださいという気がした。


『ムービーランドの子守唄 いつか見たジョン・ウェイン』(大林宣彦)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9a9984fc41082ff523a9e7e9517ad74e

 

 

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松本経由で長野「戸隠神社」へ

2024-01-02 16:07:09 | 雄二旅日記

 年末、妻と共に松本経由で長野へ旅をした。どちらも、多くの映画でロケ地になっている。

松本フィルムコミッション
https://matsumoto-film.jp/worklist/

ながのフィルムコミッション
https://www.nagano-fc.org/archive/index.php

 今回の主目的は「戸隠神社の奥社」への参拝。予想以上の“雪中行軍”となり、情けないことに何度も滑って転んだ。戸隠山と鏡池、そして杉並木は、大河ドラマ「真田丸」(16)オープニングに合成して使われ、JR東日本のCM「大人の休日倶楽部」(10)では吉永小百合が訪れているが、さすがに雪の季節ではなかった。

 もし、能登の地震が1日早く起きていたら、帰京できなかったかもしれない。

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「BSシネマ」『十戒』

2024-01-02 08:00:13 | ブラウン管の映画館

『十戒』(56)(1976.11.6.丸の内ピカデリー)

 ヘブライの子でありながらエジプトの王子として育てられたモーゼ(チャールトン・ヘストン)。だがモーゼは反逆者として追放され、民衆と共にエジプトを脱出する…。

 旧約聖書「出エジプト記」の物語を描いた歴史スペクタクル超大作。セシル・B・デミル監督が1923年に製作した作品を当時最先端の特撮技術を駆使して再映画化。アカデミー特殊効果賞を受賞した、紅海が割れるシーンはあまりにも有名。音楽はエルマー・バーンスタイン。モーゼの妻セフォラ役のイボンヌ・デ・カーロが美しかった。


 


世界史リポート
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ee613faa762d4ffcd05f26688fb3d79f

“聖書スペクタクル”がたくさん作られた理由は…
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/517bcaf0f9a135945996d78a5a4da001

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