『カラーパープル』(2023.12.21.ワーナー神谷町試写室)
スティーブン・スピルバーグ監督が、アリス・ウォーカーの同名小説を映画化した86年作を、舞台版に続いて、スピルバーグが製作総指揮を務めてミュージカルとしてリメーク。監督はブリッツ・バザウレ。
20世紀初頭から1940年代、横暴な父によって望まぬ結婚をさせられたセリー(ファンテイジア・バリーノ)が、夫のミスター(コールマン・ドミンゴ)によって最愛の妹ネティ(ハリー・ベイリー)と引き離され、夫から不当な扱いを受けながらも、やがて歌手のシャグ(タラジ・P・ヘンソン)や、義理の息子の嫁ソフィア(ダニエル・ブルックス)との出会いによって自立に目覚め、自分を変えていこうとするさまが描かれる。
ゴスペルを基調としたクインシー・ジョーンズ製作総指揮の音楽は素晴らしいのだが、映画全体を考えると、やはりオリジナルの方に軍配が上がる。それは、ミュージカル云々というよりも、今回さらに強調された神の存在がピンとこなかったことが大きい。
さりげない描写がかえって感動的だったオリジナルのラストシーンに比べると、全ては神のおかげと歌い上げる今回のラストは、キリスト教への思い入れがない自分にとっては、あまり心に響かなかった。
『カラーパープル』(85)
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