田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「サムライの魂を持つ男」

2024-01-07 21:16:42 | 名画と野球のコラボ

 【BS5局共同企画 テレビが伝える“プロ野球”】「サムライの魂を持つ男」という番組を見た。

 WBC日本代表の一員として活躍したセントルイス・カージナルスのラーズ・ヌートバーを中心に、さまざまなチームで活躍し、最後はロサンゼルス・エンゼルスで大谷翔平ともバッテリーを組んだカート・スズキら、日系人選手にスポットを当て、斎藤佑樹がリポートした。

 興味深かったのは、斎藤がカリフォルニア州フレズノを訪れ、"日系人野球の父"といわれる銭村健一郎の足跡をたどったシーン。銭村は、ベーブ・ルースとも親交があり、戦時中に入れられた強制収容所内に「ゼニムラ・フィールド」を作り、野球を通して収容所の人々に勇気を与えた人。彼の墓石には「The Dean of the Diamond(ダイヤモンドの主)」と彫られている。

 銭村のことは、後に広島カープの選手となった息子のハーヴェイ銭村(銭村健四)について書かれた、池井優の『ハロー、マニエル元気かい プロ野球外人選手列伝2』で知った。

 未見だが、銭村をモデルにした主人公を中村雅俊が演じた『アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗』(07)という映画があるようだ。見てみなくては。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みなに幸あれ』

2024-01-07 08:09:34 | 新作映画を見てみた

『みなに幸あれ』(2024.1.4.オンライン試写)

 看護学生の“孫”(古川琴音)は、ひょんなことから父の実家を訪れることに。久しぶりに祖父母と再会するが、なぜか違和感を覚える孫。そしてこの家の2階には「何か」がいると気付いた時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が孫を襲う。

 下津優太監督が自身が製作した同名短編を基に、商業映画初メガホンを取り長編映画として完成させたホラー。清水崇監督が総合プロデュースを担当し、古川琴音がホラー映画初出演を果たした。

 都会育ちの自分が、子ども頃に田舎の親戚の家に泊まった際に抱いた違和感やちょっとした恐怖を思い出させるような、“田舎ホラー”的な前半はなかなか面白かったのだが、孫が秘密を知った後半は支離滅裂になって失速するのが残念だった。

 時折、思わず笑ってしまうシーンもあり、ホラーとコメディは紙一重、表裏一体だと改めて感じさせられたが、これも全体から見るとバランスがよくない。例えば、ホラーの中のブラックユーモアやシュールな設定という点では、藤子・F・不二雄のSF短編などを見習ってみてはどうかと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする