田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「お馬のエドくん」(「ミスター・エド」)三遊亭金馬

2022-08-28 10:14:33 | テレビ

 亡くなったときの2代目三遊亭金翁よりも、4代目三遊亭金馬の方がなじみ深い。 

 うろ覚えだが、子どもの頃、言葉を話す馬を主人公にした「お馬のエドくん」(「ミスター・エド」)というアメリカのテレビドラマが放送されていた。そのエドの声を吹き替えていたのが金馬師匠だった。その縁は金馬という名前からだったのか…。

 エドの飼い主の声を吹き替えた柳沢真一とのやりとりが面白かったことと、「馬がしゃべる そんなバカな」という主題歌も何となく覚えている。歌っていたのはビンチャンこと楠トシエだったような気がするが、これも定かではない。

 さて、金馬師匠の落語を最後に聴いたのは、2017年11月の上野鈴本演芸場での昼の部で、演目は十八番の一つである、「目が回る、家が回る」の「親子酒」だった。

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5b6d3e412f5fcf10513660d83dbcb258

 

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『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

2022-08-27 10:50:55 | 新作映画を見てみた

『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022.8.26.オンライン試写)

 10月25日、月曜日の朝。プレゼン資料の準備で徹夜明けの吉川朱海(円井わん)は、後輩の2人組から「僕たち、同じ1週間を何度も繰り返しています」という報告を受ける。

 ところが、タイムループからの脱出の鍵を握ると思われる永久部長(マキタスポーツ)は、いつまでたってもタイムループに陥っていることに気付いてくれない。朱海たちは“上申”を利用して、次々に同僚たちにループを気付かせ、最後は部長に届くように画策するが…。

 「もう仕事なんて放り出してしまいたい」「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」「仕事がうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職する」…。

 社員たちのさまざまな思惑が交錯する中、また同じ月曜日がやって来る。果たして彼らは“チームプレー”で部長に事を気付かせ、タイムループから脱出することができるのか…。

 同じ時間を何度も繰り返すタイムループは、描き方によっては、まさに“ネバーエンディング・ストーリー”にも成り得る面白さがあるし、同じシーンを何度も撮り直せたり、後で編集もできる映画向きの素材だともいえる。

 だから、例えば『恋はデジャ・ブ』(93)『タイムアクセル12:01』(93)『ターン』(01)『ミッション:8ミニッツ』(11)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)などの佳作が生まれている。

 また、最近では、ホラーに転用した『ハッピー・デス・デイ』(17)、主人公を加えた3人が巻き込まれる『パーム・スプリングス』(20)、アクションゲーム感覚の『コンティニュー』(21)など、新機軸のタイムループものも登場してきた。

 竹林亮が監督したこの映画は、それらとも違い、舞台をオフィスに限定し、タイムループの原因が主人公にはない、巻き込まれるのはオフィスの全員、1日ではなく1週間が繰り返される、といった新たな種類のタイムループを描いているところが面白い。タイトルが長過ぎるのが惜しまれるが、また1本、タイムループものの佳作が生まれた言っても過言ではない出来だ。

 何だか、若き日、編集プロダクション時代の徹夜作業で生じた妙な連帯感や達成感を思い出して懐かしくなったが、今時もこんなブラック会社が存在するのかとも思わされた。

 『夏へのトンネル、さよならの出口』『地下室のヘンな穴』、そしてこの映画と、図らずも非現実的な“時間”を扱った映画を続けて見たので、妙な心持ちになっている。

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『地下室のヘンな穴』

2022-08-27 00:25:32 | 新作映画を見てみた

『地下室のヘンな穴』(2022.8.26.オンライン試写)

 平凡な中年夫婦のアラン(アラン・シャバ)とマリー(レア・ドリュッケール)は、怪しげな不動産業者に案内され、郊外に建つ一軒家を下見に訪れる。

 購入すべきか迷う彼らに、不動産業者は、この家の地下室に空いた穴に入ると「時間が12時間進み、肉体が3日分若返る」と話す。夫婦は半信半疑のままその家に引っ越すが、やがてマリーは穴に入ることにのめり込んでいく。

 監督・脚本のカンタン・デュピューの映画は、これまで見たことがなかったが、殺人タイヤを描いた『ラバー』(10)や鹿革男の狂気を描いた『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』(19)などの、独創的な作風で知られ、フランスの鬼才(あるいはスパイク・ジョーンズ)と呼ばれているらしい。それらに違わずこの映画も相当変だ。

 表向きは、いかにもフランス映画らしい、エスプリの効いたブラックでシュールな艶笑コメディだが、その根底には、若さを取り戻すために穴に入り続けるマリー、アランが勤める保険会社の社長ジェラール(ブノワ・マジメル)が日本で受ける人工ペニスの手術などの滑稽な姿を通して、老いや衰えに対して抗う姿が描かれる。穴のからくりを一切明かさないのもフランス風だ。

 

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『夏へのトンネル、さよならの出口』

2022-08-26 09:59:57 | 新作映画を見てみた

『夏へのトンネル、さよならの出口』(2022.8.25.オンライン試写)

 ある田舎町で「ウラシマトンネル」の存在がうわさされていた。その不思議なトンネルに入ると、年を取る代わりに欲しいものが手に入るのだという。
 
 事故で妹を亡くしたことが心の傷となっている高校生の塔野カオル(声・鈴鹿央士)は、偶然トンネルを発見し、自身の理想像と現実との違いに苦悩する転校生の花城あんず(声・飯豊まりえ)と共に、トンネルを調査してそれぞれの願いをかなえるための協力関係を結ぶが…。

 八目迷の同名小説をアニメーション映画化。監督・脚本は田口智久。トンネルを媒介とした変則的なタイムスリップもので、夏、青春、淡い恋、SF、ノスタルジーという定番の要素を組み入れたジュブナイルの一種。大昔の「少年ドラマシリーズ」のことを思い出した。

 田舎町の写実的な風景と、トンネル内部の赤を基調とした幻想的な風景が対照の妙を成し、現在(スマホ)と過去(ガラケーとMD)、二つの時代をつなぐビニール傘などの小道具の見せ方も面白いのだが、トンネルの内部と外部との時間経過の違いの描写が甘く、トンネルの謎解きもないので、もやもやさせられるところがある。

 声優ではない、鈴鹿と飯豊がなかなか頑張って声を当てていた。この2人なら、この題材を実写で見てみたい気もした。

【インタビュー】『かそけきサンカヨウ』鈴鹿央士
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/120ac45ebc7af1802510b35dc4c330d2

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【ほぼ週刊映画コラム】『異動辞令は音楽隊!』『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』

2022-08-25 07:01:08 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
ストーリーの着想が面白い
『異動辞令は音楽隊!』『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』

 

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1346108

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『ブレット・トレイン』新幹線での“動く”レッドカーペット開催!

2022-08-24 06:31:10 | 仕事いろいろ

 日本を舞台にしたハリウッド映画『ブレット・トレイン』が9月1日(木)から公開される。それに先立ち、主演のブラッド・ピットが3年ぶりに来日した。そして、8月23日、JR東海の協力のもと、東海道新幹線「のぞみ」の全車両を借し切り、東京駅から京都駅までの「動くレッドカーペット・イベント」が行われた。

 レディバグ役のピットのほか、初来日となったタンジェリン役のアーロン・テイラー・ジョンソン、本作のプロモーションのために緊急帰国したエルダー役の真田広之、そしてデビッド・リーチ監督が乗車した。

ブラッド・ピット「『ブレット・トレイン』を撮影した現場にいるような気がして、デジャビュを感じている」
東京駅から京都駅へ 史上初!新幹線での“動く”レッドカーペット開催!
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1346044&preview=true

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WOWOWプラス『サンダーボルト』

2022-08-22 23:47:29 | ブラウン管の映画館

『サンダーボルト』(74)(1978.9.25.月曜ロードショー)

 監督・脚本は『ダーティ・ハリー2』(73)の脚本でイーストウッドに認められたマイケル・チミノ。テーマ曲はポール・ウィリアムズの「Where Do I Go from Here」。

 一度襲った銀行を再び襲う男たち。その準備のためにアルバイトをする姿がおかしい。そして死に方も、もの悲しくもどこかおかしい。で、重要な大道具は小学校の黒板とくる。

その4人組は
クリント・イーストウッド…サンダーボルト(バイトは工場)
ジェフ・ブリッジス…ライトフット(バイトは工務店。レッドに暴行された傷がもとで死ぬ)
ジョージ・ケネディ…レッド(バイトは清掃。ドーベルマンにかみ殺される)
ジェフリー・ルイス…エディ(バイトはアイスクリーム売り。警察に撃たれ、レッドに車から放り出される)

そして“70年代脇役天国”の人々
ゲーリー・ビジー…カーリー
バートン・ギリアム…ウェルダー
ロイ・ジョンソン…ダンロップ
ビル・マッキニー…クレイジー・ドライバー
ダブ・テイラー…ガソリンスタンド店員
クラウディア・レナ―…工場事務員

『サンダーボルト』のラストシーン
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/11409bc902681f96d0608c46108f9d3e

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「BSシネマ」『愛と哀しみの果て』

2022-08-22 06:19:48 | ブラウン管の映画館

『愛と哀しみの果て』(85)(1986.6.30.日劇プラザ)

 

 20世紀初頭、デンマーク人のカレン(メリル・ストリープ)は、スウェーデン人の貴族(クラウス・マリア・ブランダウアー)と結婚し、夫が経営するコーヒー農園のあるケニアにやってくる。不実な夫に代わって事業に懸命に取り組むカレンは、教養ある冒険家で、自由に生きるイギリス人・デニス(ロバート・レッドフォード)と出会い、引かれ合うが…。

 2時間41分の大作である。シドニー・ポラックがこうした大河ドラマ風叙事詩を撮るとはいささか驚いた。どちらかといえば、彼は『追憶』(73)『コンドル』(75)『トッツィー』(82)などの都会的な佳作の監督という印象が強かったのだが、それを改めなければならないか。

 だが、この映画が、スピルバークの『カラー・パープル』(85)を凌駕してアカデミー賞を総なめにするほどの名画かと言えば、そこには少々疑問が残る。

 確かに、もはや毎度おなじみのストリープの過剰演技(さすがにデンマークなまりの英語の発音まではわからなかったが)、年を取っても二枚目ができるレッドフォードのはまり役、マリア・ブランダウアーの憎み切れない敵役という演技合戦に加えて、アフリカの景観を見事に映したカメラワークも素晴らしい。

 それなのに、何かしっくりこない。その理由は女性中心の視点で描かれたことと、ストリープ演じるカレンの描き方があまり好きになれなかった点にある。

 彼女には、T・E・ロレンス=アラビアのロレンス的なものが感じられる。つまり、異邦人としてある土地にやって来て、そこに惚れ込むまではいいが、自分のエゴを、その土地の住民たちにぶつけて、自己満足しているところがある。そして、結局は受け入れられずに去っていくというパターンだ。もちろん、この映画にデビッド・リーンの『アラビアのロレンス』(62)のような厳しさはない。

 この映画では、そんなカレンに、自然児デニスが本当の生き方みたいなものを教えるわけだが、この男の行動も、不自然だったり、曖昧なところもあるので、見る方は困ってしまう。

 この映画の柱は、2人の恋愛劇なのだから…と言ってしまえばそれまでだが、せっかくアフリカの景観をあそこまで描けたのだから、人間ドラマにもう一歩深みがあればさらによくなったはずなのに…と思うと残念でならない。ポラックにはかわいそうだが、この映画を見ながら、リーンの大河ドラマ作りのうまさを思い出してしまった。

アカデミー賞を受賞した時のポラックのコメントが面白い。

 

 

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世界サブカルチャー史 欲望の系譜「フランス興亡の60s」

2022-08-20 22:21:55 | 映画いろいろ

 アルジェリア戦争、五月革命がフランスの社会にもたらしたものは? 伝統と革新がせめぎ合い、政治と芸術が交差した60年代のパリ。米ソとは異なる独自の道を模索した国の60年代とは。

 登場する映画は、ジャン・リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』(60)『小さな兵隊』(60)『女は女である』(61)『気狂いピエロ』(65)『中国女』(67)、フランソワ・トリュフォー『ピアニストを撃て』(60)『突然炎のごとく』(62)『夜霧の恋人たち』(68)『家庭』(70)、ルイ・マル『地下鉄のザジ』(60)『鬼火』(63)、ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』(64)

 登場する人物は、シャルル・ド・ゴール、シルビー・バルタン、ジョニー・アリディ、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーブ、ジャン・ポール・ベルモンド…。

 興味深い考察もあったが、60年代のフランス映画を語る時に、アラン・ドロンが全く出てこないのはちょっと違う気がするのだが。

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【インタビュー】『ブレット・トレイン』ブラッド・ピット&デビッド・リーチ監督

2022-08-19 18:01:32 | 仕事いろいろ

 伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を、ブラッド・ピットを主演に迎え、『デッドプール2』(18)のデビッド・リーチ監督が映画化したミステリーアクション『ブレット・トレイン』が、9月1日(木)から劇場公開される。

 今回、『ファイト・クラブ』(99)『トロイ』(04)『Mr. & Mrs. スミス』(05)など、数々の作品でピットのスタントマンを務めたとリーチ監督とピットとのツーショットインタビュー映像が解禁となった。

「脚本を読んで、世界にはこれが必要だと思った」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1345229

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